17話 ページ18
「さっき、『あの子の事なんにも知らないくせに〜』と言ってたが、キミだって私の事対して知らんだろ」
「少なくとも、さっきの女子よりは知ってる。
絵が上手い。猫が好き…多分。歳の離れた妹と、兄がいる。
チビ。影山のはとこ。目付き悪いの気にしてる。
かなりのビビリ性。
でも、いきなりなにかされるのがダメなだけで、虫とかそういう系で苦手なのはなさそう。…あ、卵焼きちょうだい」
指を折りながら数える蛍。
ところどころ、失礼な事を言われていたような気がしたが、気のせいだろう。
あと、『ちょうだい』って言いながら食べるな。別にいいけど。
「いや、そんな事もないぞ。
蜂、は種類によるけど無理。あとはアブラムシとイニシャルGも…」
「頭○字Dみたいに言わないでくれる?」
「悪い、ヤツだけは本当に、名前すら口にしたくないんだ。
……それと、地面に落ちたバレーボール。
いや、これは語弊があるな。
『私の足元まで転がって来たバレーボール』のほうが正確か。
今でも、それを触ろうとすると手が震える。普通に、ボールを追いかけるのも、試合を見るのも平気なのに、それだけが…」
なんで蛍にこんなことを言おうと思ったのかは分からない。
でも、なんとなく、こいつなら受け止めてくれるかもしれない。
そんな淡い期待を抱いた。
「何かあったの?」
まるで、今日の天気を聞くような、興味があるようで無い、そんな言い方に、気を遣ってくれているのか、素なのかは私には分からなかったが、とても嬉しく感じた。
「…まあな。それから、人と関わるのが怖くなったし、
楽しんで絵を描くことも無くなった。…ごちそうさまでした」
食べ終わった弁当箱に蓋をして、お弁当袋にしまって、胸ポケットからメモ帳とシャーペンを取り出す。
そして4重丸を描いた。
「これが真ん中の丸が私だとすると、1番近い丸に居るのが私と深く関わっている、私が『大切』とみなしている人達。
父母と、兄さんと、幼馴染と、ついでにとびお。
その外側の丸が知人とか、そこら辺。
キミとか、妹とか。あと、バレー部の人達。
その外側の丸が他人。
悪いが、蛍を『大切』の枠に入れるのは、
「何?昔なら出来たってこと?」
蛍の眉が不機嫌そうに釣り上がる。
まあ、この言い方だと当たり前だよな。
「…昔なら、な。今は無理だ。
………だから、私はキミの友達になりたい」
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まみこ(プロフ) - さくにょさん» まじでそれな……。パスワード制にもう一度して、知りたい人に「メッセージ」として送ればいいんじゃないかな……?そうすれば荒らし減りそう。 (2023年2月25日 16時) (レス) id: 2e6caf5e65 (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - さくにょさん» ありがとう!!!コメントめっちゃ嬉しい…!!!さくにょちゃんも頑張って!!! (2023年1月29日 15時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - なんでこんな心情描写も仕草も全てが綺麗に描写された作品が伸びないのか・・。もかお姉ちゃん!!応援してるよ! (2023年1月29日 15時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - モモさん» ありがとうございます!!!コメントや評価、本当に励みになるので嬉しいです!!! (2023年1月8日 16時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - めっちゃ好みの度タイプです!更新がんばってください!めちゃ楽しみにしています!! (2023年1月7日 17時) (レス) @page34 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もか@テスト死にそう | 作成日時:2022年4月28日 23時