【ONEPIECE】どうか幸せな2度目を【逆行】[第一節]

episode.1-5 ページ7

「………お頭、なにガキ攫ってきてんですかい」



「おいおい、人聞きが悪ィな。嬢ちゃん、なんかあったかいもんでも飲むか？」



『………いえ、お構いなく』





なんなんだ、この状況は。



自分の置かれている今の状況があまりにも理解できない。



私たちを助けた男はそのまま船へ入り、気を失ったルフィを船医へ預け、船内へ私を案内し、くつろいでいる。



今、目の前にいるのは、





『赤髪の、シャンクス………』



「ん？なんだ、知ってたのか」



「東の海の片田舎にそんな物知りなガキがいるとはな」





そう言ってタバコを吹かすその男は、赤髪海賊団の副船長、ベン・ベックマンだ。



間違いなく、ここにいるのは四皇、赤髪のシャンクス。



いや、記憶にある二人より随分と若く見えるから、今はまだ四皇と呼ばれる前かもしれないが。





記憶に、ある、顔。



それは、いつの、話だ？





確か、赤髪から麦わら帽子を預かったルフィは、立派な海賊になって、それを返す、ために。



でもまだ、会ったことはない、はずだ。



じゃあ、いつ、彼らの顔を見たんだ？





ズキン





『!!つっう………!!!』



「おい、どうした!?」



「様子がおかしいな。ホンゴウの奴を呼んでこよう」





痛い。



頭が、とても、痛い。





痛みに思考が遮断される。



なんで？なんで、いきなり。



上手く、呼吸が、できな、





ぷつり





思考が、途切れた。

episode.1-6→←episode.1-4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す