【ONEPIECE】どうか幸せな2度目を【逆行】[第一節]

episode.4-11 ページ48

「………つまり、どういうことだ？」



『うーん………どうって言われても………』





やはりまだ理解するにはややこしい話だったか、エースもルフィも首を捻っている。



しかし、この中では頭の回転の早い彼だけは少しは把握できたらしく。





「要するに、Aは知っている未来と知らない未来とあるってことか？」



『………まあ、間違いではない、か』



「よくわかんねェなー。それがなんだってんだよー？」





サボの要約でも理解の及ばないルフィはすでに話に飽きつつあるようで、少しふてくされている。



………本当は彼にこそわかって欲しかったのだが、仕方がない。



この話は成長した彼でも理解できない可能性があるのはわかっていたけれど。





『重要なのはね、私の知っている未来で、私は海賊だということ』



「「「!!!」」」





当然、彼らはここに食いつかざるを得ないだろう。



彼らの目指すものをすでに経験した者が、目の前にいるのだ。





『私の夢は、その未来をまた、実現させること』



「………叶った夢を、また叶えんのか？」



『うん………あの日々が、どうしても忘れられないから』





自然と、笑みが溢れた。



あの賑やかな日々がずっと恋しくて、懐かしくて、欲して。





「じゃなんだ？おれたちの誰の船にも乗らねェってのか？」



「えー、Aはうちのコックだろー？」



『………言っておくけどルフィ、私、コックじゃないからね』





誰の船にも乗らない、というのは違う。でも、それについては否定も肯定もしない。



シャンクスの助言を聞いた時から決めていたのだ。



仲間には”未来を知っていること”は話す。



でも、”未来”は話さない、と。





________________必要に迫られた時以外、は。

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