episode.3-11 ページ34
目が開けて初めて視界に入ったのは、自室の天井と私の顔を覗き込む姉の心配そうな顔。
ああ、これがデジャヴという奴か。
また姉にこんな顔をさせてしまったのか、私は。
「A………」
『姉さん、怪我はない………？』
「馬鹿ね、こっちのセリフよ………気分はどう？」
『もう平気。それよりルフィは？』
「船長さんが捜索してくれてる。あの人に任せておけば大丈夫って副船長さんも言っていたわ」
彼がそう言うのなら間違いないのだろう。
使い切ってしまった覇気はまだ思うように使える感じはせず、”見聞色”で探ることもできない。
今はシャンクスを信じるしかない、か。
「A」
思考を遮ったのは、いつになく真剣で少し重い姉の声。
「たまにね、Aが違う人に見えるような時があるの。具体的に誰、って言うわけじゃないけれど、纏う空気感と言うか雰囲気と言うか………」
『………それは………』
「今日は特にそう、感じたの」
姉の感じているそれは、私の持つ記憶による”前”の私なのだろうか。
物心ついた頃には私の中に記憶があったのだから、全く違う私なわけでもないのに、そう感じるのは、やはり姉だからなのか。
『………怖い？私のこと』
まだ14歳という年齢で、あんな風に戦う姿なんて見て、怖がらない方が難しいだろう。
しかし、姉は少し目を丸くして、笑った。
「ふふ、何言ってるのA。怖いだなんて思わないわ。どんなあなたでも私の妹であることは変わらないのよ？」
『え………？』
「あなたが私や村長さんに隠し事をしているのはわかってるわ。それについて船長さんたちに相談していることも」
今度はこっちが目を丸くする番だった。
割とおっとりしている姉だと思っていたが、意外と察しが良かったようだ。
そんなに分かりやすかっただろうか。
普段から分かりやすい人に囲まれていたせいか、自分がそうだとは思わなかった。
「A。何か私に話せないことがあるのよね」
『………うん』
「理由も、話せないのね」
『………うん』
「そっか」
目尻を下げてにっこりと笑う姉に悟る。
多分、この人には一生敵わないだろう、と。
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つきよしりん(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます！！クザンいいですよねわかります！！！ご希望とあらばガッツリ絡ませざるを得ませんね……！！どう関わってくるか、心様をワクワクさせられるようにしたいです(今から考える)更新頑張ります！！ (2019年7月28日 3時) (
レス) id: 491910c140 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - もし、作者様が良ければ、クザンと絡んで欲しいです！更新楽しみにしてます！ (2019年7月27日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
つきよしりん(プロフ) - 龍華さん» Twitterの方で少しお話しさせていただきましたがこちらでも………コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえることこそが何よりの喜びです!!更新頑張りますー!! (2019年7月27日 17時) (レス) id: 297ae59f70 (このIDを非表示/違反報告)
龍華(プロフ) - 久しぶりに面白い小説を読みました！Twitterの方フォローさせてもらいました！桜-sakura-と言う名前です！Twitterでもお話できたらいいなと思っています(笑)更新楽しみに待ってます！ (2019年7月25日 19時) (レス) id: f076919c37 (このIDを非表示/違反報告)
つきよしりん(プロフ) - nanakoneko775さん» コメントありがとうございます！ひっ……い、1番ですか？！そんな、恐れ多すぎて震えが止まらないです……()楽しみにしていただけて本当に光栄です。そのお言葉だけで頑張れます。ありがとうございます！！ (2019年6月27日 16時) (レス) id: 491910c140 (このIDを非表示/違反報告)
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