歩く ページ10
家を出て数分経過した。日当たりを歩いているせいか、少しだけ汗も滲んできたところで思ったことがある。
『歩きですか』
sha「え、それ以外ないやろ」
『バスとか車とか電車とか。一応お金持ってきたんですけど』
sha「あー。残念ながらそういう人がたくさん通る場所にはないんだなあ」
『なら一体どこに……？』
sha「あそこ、ちょっとした神社あるやん？」
彼が指差した方向には少々遠いが歩いていける距離にある神社のことを指しているのだろう。
田舎だけあって、結構高い建物とかがないから見やすくなっている。
『あの中入るんですか』
sha「神社の御神木の奥にあるんやで」
…私は小さい頃遊びに行った時は御神木の奥はただ木があるだけだったが。
『まさか野宿ですか』
sha「Aは夢で何を見たんや」
『館ですね』
sha「人が来られても困るから結界張って外界と切り離してるんやで」
姿は見えないが得意げに話しているのだろう。
『えっ、私そういう所に入って大丈夫ですかね』
sha「大丈夫やで。むしろ大歓迎ってとこあるんやし」
『じゃあなぜ神社の近くに？』
sha「えーっとな、確か神社って空気がいいし神聖な神を祀ってる場所だから、俺らの仕事上、結構悪いのついてきやすいからそこでお祓いするためにも、結界の力を維持する為にもここが最適らしいで」
えっ？？
『悪いものがついてきやすいって……』
sha「後でグルッペンから言われるからそれ聞いた方がわかりやすいで」
何やら不穏な雰囲気に一瞬で帰りたくなったがしばらく歩くと例の神社へ着いた。
sha「人居ないか確認して、御神木の後ろにまわって真っ直ぐ進むんや」
『……いないっぽいですね』
sha「よーし入るぞ〜」
御神木の後ろにまわって真っ直ぐ草木を避けて進むと突然強い頭痛に襲われた。
『頭痛い……』
sha「結界無理矢理越してるからなあ……迎えに来るからゆっくり歩いて来てくれん？」
迎えということはやはりちゃんと生きているのだろうか。
痛む頭をふるふると振って、前に進むと、たったっと走ってきた見覚えのある姿。
sha「ただいま！いやー、これで存分に動けるわぁ、連れてったるで」
『ひゃい！？』
sha「首手まわして〜」
腰と足に腕が回され所謂姫抱き状態になる。一気に顔に熱が集まるのを感じた。
『お、降ろして…！』
sha「あれ、高所恐怖症？」
『違います！恥ずかしいです！』
そっか！と私を気にも止めず軽い足取りで成す術もなく運ばれていった。
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カル(プロフ) - 好きです！続き…楽しみにお待ちしております！！ (2020年4月28日 18時) (
レス) id: 109968551c (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - ありがとうございます、嬉しいです(オタク特有の笑顔) (2019年10月13日 20時) (レス) id: e430844ced (このIDを非表示/違反報告)
アルカリ - とうふさんの作品が、尊いです。(真顔) (2019年9月24日 17時) (レス) id: f17e38f5ae (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - ありがとうございます〜(逝去) (2019年9月9日 18時) (レス) id: e430844ced (このIDを非表示/違反報告)
歩くアスパラ - んは〜、めっちゃしゅき〜。尊い。もう好きすぎる(昇天) (2019年9月9日 0時) (レス) id: ec00883068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とうふ | 作成日時：2019年8月6日 11時
