いる ページ22
他愛ない会話をしつつ、ふらっと歩いていたら駅に着いた。
ut「んじゃ、適当に乗せてってもらおか」
os「すみません。商店街の方までお願いします」
「わかりました。後ろ3人いけますかね？」
ut「あー、いける？」
鬱先生さん、私、オスマンさんの順で左につめた。意外といけるもんなんですね。
そういえば、タクシー乗る時って運転手がいる方の席の人が偉い人らしい。
理由はどうやら運転手は事故ってもぶつからないように左にハンドルを切るからだとか。
os「何分くらいですかね？」
「結構街まで出ないとなんで…30分ですかね」
os「ありがとうございます。」
ゆっくりと車を走らせはじめた。その時だった。
『ぁ……』
運転手の左足に霊がいることに気づく。明らかにこちらを睨みつけている。
os「んー？」
いつも見えてしまうとはいえ絶対なれない。ホラーゲームはできるけどリアルはNG。
ut「ん？どしたんAちゃん」
『……いえ、なんでもないです』
こういうのはできるだけスルーした方がいいらしい。霊は、霊感ある人が分かるようで、ちらっと横目で見ただけでも取り憑いてくるらしい。
視線を逸らしているが、それがゆっくりと確実に近づいてきているのが分かり、徐々に体が強ばっていく。来ないで。これ以上近寄らないで。私には何もできない。
ut「Aちゃん？」
無意識でどうやら鬱先生さんの袖を引っ張っていたようだが、怖い。強ばった指先を霊に向ける。
os「ん……大先生」
ut「あいよ」
なんかの合図を送った直後、霊は消えた。
ut「Aちゃん〜〜僕がんばったで」
os「大先生さすがやな」
ut「んふふ。なんたって食べれるからね」
食べる？霊を？
ut「ま、次のいい機会で説明するよ」
os「すいません、最近左足重かったりお怪我なされました？」
「え？ああ……まあ」
os「なるほど。今は？」
「……今は大丈夫ですね。」
ut「ね？」
得意げにふふんと笑う鬱先生さんに緊張がやっと解れた。
『ふあ……』
os「眠い？」
『あ…大丈夫です』
安心しすぎて寝るところだった。でも寝たい。
車内の揺れですら心地よく感じてしまう。瞼が重くて、自然と目を瞑ってしまいそうだ。
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カル(プロフ) - 好きです！続き…楽しみにお待ちしております！！ (2020年4月28日 18時) (
レス) id: 109968551c (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - ありがとうございます、嬉しいです(オタク特有の笑顔) (2019年10月13日 20時) (レス) id: e430844ced (このIDを非表示/違反報告)
アルカリ - とうふさんの作品が、尊いです。(真顔) (2019年9月24日 17時) (レス) id: f17e38f5ae (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - ありがとうございます〜(逝去) (2019年9月9日 18時) (レス) id: e430844ced (このIDを非表示/違反報告)
歩くアスパラ - んは〜、めっちゃしゅき〜。尊い。もう好きすぎる(昇天) (2019年9月9日 0時) (レス) id: ec00883068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とうふ | 作成日時：2019年8月6日 11時
