オープニング ページ2
ざわざわと生徒たちの声で満ち溢れた廊下に出て、私──Aはその人混みを掻き分けながら帰路につく。
私のいた教室に、何かがいる気がして逃げるように早足で廊下を駆け抜けていく。
黒い靄が、ゆらゆらとガラスの隙間から覗いているのを私は見てしまった。
きっと周りからは、急いで帰りたい子にしか見えていないのだろう。通りすがった友人から「あっA！じゃーね！！」と声をかけられ、「またね！」と適当に言葉を投げつつ、靄から逃げるように人と人の隙間を縫っていく。
生徒たちのこのざわめきの理由は、長いとは言い切れない長期休暇に入ったからだ。周りの生徒は皆「明日から休みじゃん！最高！」だとか「私ここのバイトするから来てよ〜！」といった話で盛り上がっていた。
私の学校では許可さえあればアルバイトができる。友人も学校に直接届いた求人に応募して推しに貢ぐだとかグッズを買うだとかで意気揚々としていた姿を思い出しながら息が切れる前にゆっくりと歩みのスピードを元に戻す。
階段を駆け下り、後ろを振り返ればそこは仲のいい同士で絡んでいる生徒たちがいるだけだった。
ふう、と私は安堵の息を漏らす。昔から、他の人には見えない何かが見えてしまっていつも緊張してしまう。
自分のローファーの音を聞きながら駅まで歩いて、けたたましいベルと共にやってきた電車に揺られつつスマホを開いた。
せっかくなら私も長期休暇でお金を貯めておきたいと思い、何か良い物件がないかと検索をかけて画面をスクロールしていく。
せっかくなら楽なものがいいな、なんて思ってしまう。お金を稼ぐのは大変だとわかっているからこそ、楽な道を選んでしまう。
そんな中、とあるWebページに辿り着いた。
その雰囲気に思わずごくりと固唾を飲み込む。
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カル(プロフ) - 好きです！続き…楽しみにお待ちしております！！ (2020年4月28日 18時) (
レス) id: 109968551c (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - ありがとうございます、嬉しいです(オタク特有の笑顔) (2019年10月13日 20時) (レス) id: e430844ced (このIDを非表示/違反報告)
アルカリ - とうふさんの作品が、尊いです。(真顔) (2019年9月24日 17時) (レス) id: f17e38f5ae (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - ありがとうございます〜(逝去) (2019年9月9日 18時) (レス) id: e430844ced (このIDを非表示/違反報告)
歩くアスパラ - んは〜、めっちゃしゅき〜。尊い。もう好きすぎる(昇天) (2019年9月9日 0時) (レス) id: ec00883068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とうふ | 作成日時：2019年8月6日 11時
