☆１５１話☆ ページ38
握り締めた拳と、震える声から兄さんが泣いているのがわかった
兄さんが泣いてるの、久し振りに見たかも……
「ゆ、悠斗…何も泣くことはないでしょう…？」
「そうよ？全て優の我が儘で……」
灯「黙れ。優の我が儘だって？先祖がどうこうつって優に継げつってんのはお前らの我が儘じゃねぇのか？自分達のことは棚に上げて、優のことは我が儘だのなんだの言って、ただ自分達の我が儘を優に押し付けてんだろ」
優「兄さん、もういいよ…」
灯「駄目だ」
優「兄さん！！」
腕を掴んで大声で呼ぶと、ハッとしてこちらを見る兄さん
落ち着くためにゆっくりと深呼吸した後、『悪い…』とボソッと呟いた
優「ううん…ありがとう、兄さん。言ってくれて嬉しかった」
灯「…俺に出来んのは、こんぐらいだから」
優「ありがとう。……あとは、自分で頑張るよ」
目を見てそう言うと、『でも…』と渋ったが、少し悩んだ素振りをして静かに頷いた
兄さんがここまで言ってくれたんだから、今度こそ私が、ちゃんと言わなきゃ
お母さんとお婆ちゃんに向き合って、大きく息を吸い込んだ
優「……私の我が儘だって、わかってる。だけど！私はまだ、まだこの家を継ぐ気はありません！！だって私は！……言いなりになる人形じゃないから！！！」
私の言葉を聞いた途端、ハッとしたような顔をしたお母さんとお婆ちゃん
小さい頃から両親は忙しかった。祖父母も忙しかった
幼いながらに、『甘える』ということは『迷惑』に繋がるのだとわかっていた私と兄さんは、ずっと何をするにも２人でこなしていた
だから、私にとって『家族』と呼べるのは兄さんだけで、その逆で兄さんにとっては私しかいなかった
そう、私達は……ただ、ただ寂しかっただけだったんだ
優「…私はね、寂しかったよ。周りの子達は皆お父さんとお母さんと楽しそうにしているのに、私は兄さんとたった２人。学校の参観だって、皆お父さんとお母さんが来てくれてるのに、私達はお手伝いさんだけ。運動会も、発表会も、どんな行事にも１度も来てくれたことなんてなかったじゃん。それでも私達、何も文句言わなかったでしょ？何でだと思う？」
そう問うと、『わからない』と言うように視線を右往左往させる両親達
……まあ、そりゃそっか
優「わからないでしょ？教えてあげるよ。……私達は、そんな貴方達でも、両親だと、家族だと信じていたからだよ」
その瞬間、両親の目から大粒の涙が静かに流れ出した
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月夜(プロフ) - いちか(Tomotomo)さん» そんな…面白いんだなんて最高に嬉しい褒め言葉ですよ…(´∩ω∩`*)これからもリピートしちゃう程面白いと思っていただける作品を書いていきたいです(＾ω＾) (2017年3月28日 3時) (
レス) id: 908af49495 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(Tomotomo)(プロフ) - 月夜さん» 月夜さんの作品は面白いのでリピートして読めちゃいますもんw (((´∀｀*)あは (2017年3月27日 20時) (レス) id: 58bf074e1a (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - いちか(Tomotomo)さん» ありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです！確かにハマったものは最後まで読みたいですよねwそんな作品と思っていただけて嬉しいです！ (2017年3月25日 20時) (レス) id: 908af49495 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(Tomotomo)(プロフ) - 月夜さん» 更新まってますね！！.｡ﾟ+.(*''*)ﾟ+.ﾟ 飽きないので大丈夫です！！ww ハマると最後まで読み続けたいですからww (2017年3月25日 17時) (レス) id: 58bf074e1a (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - いちか(Tomotomo)さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると作者もやったー！！ってなりますw ありがとうございます！無事合格出来ました！ 皆さんに飽きられないようなペースで更新していきたいです(＾ω＾) (2017年3月24日 18時) (レス) id: 908af49495 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夜 | 作成日時：2016年1月29日 20時
