2人きりの音楽室で(Red×Pink) ページ40
※学パロです
「AHHH！」
教室中に響き渡る彼の笑い声。彼の周りにはいつも沢山の人がいた。
所謂“陽キャ”ってやつだ。
俺には関係ない世界。そう思ってしまっていた。
「ねえ、この漫画のここかっこよかったよな。」
「それな、ここカッコよすぎ。闇の力ヤバい。」
俺はいつもおなじみのメンバー通称イツメンで楽しく好きな漫画の話をしていた。
俺はスクールカーストというものの三軍という位置に所属している。けれども居心地は悪くない。無理して一軍になるより好きな事を馬鹿みたいに話せる方がずっといいから。
てか、こういうカースト制度って誰がつけたんだろうな。一軍の人は三軍って勝手に呼んで馬鹿にしてくるから苦手だと感じてしまっていた。
一通り授業が終わって放課後。俺はとあることを思い出した。
「あ、」
「どうした？」
「音楽室にプリント忘れてたの取りに行かないと、先帰っていて...!」
「了解、じゃあまた明日。」
友達に手を振ってまた明日と挨拶をしたら、俺は階段を上って音楽室に向かった。
音楽室の近くに来ると、ギターの音色と透き通るような歌声が聴こえてきた。
入るのとても気まずいな、ってそういつもなら思うだろう。
あまりにも歌に聴き惚れて俺はそういった思考は何処かに置き去っていたみたいだ。
俺は音楽室の前まで足を進めて行った。
音楽室のドアは開いていて、そこからはなんとあの陽キャ、ジェシーが椅子に座り長い足を組んでギターを演奏していた。
「あ、」
「おお！大我！！」
「え、」
驚きのあまり“え”や“あ”などの母音しか出てこなかった。
いや、待て、彼に下の名前で呼ばれるくらい親しくないぞ...
...てか下の名前知ってくれてたんだ。
「どうした？大我で合ってるよね？俺の事はジェシーでいいから！」
「あ、うん、よろしく。」
「なによそよそしいの〜同じクラスのクラスメイトでしょ？」
「そうだけど...色々驚いたかな...」
「なにが？」
「えと、歌とギター上手いんだね。」
陽キャであるジェシーに若干ビビりながらも素直に思った事を伝えた。
すると彼はにっこりと嬉しそうに笑った。
「嬉しい〜ありがと！」
まるで太陽みたいな笑顔を見て少し安堵した。
「そうだ、大我も歌う？？」
「え、俺も？」
「うん！1人で歌うより2人で歌う方が楽しいでしょ？」
そのキラキラとした笑みと謎の圧に負けた俺はこくりと頷いた。
...もう...なるようになれ！！俺は色々と諦めたのだった。
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ゆきんこっぺ(プロフ) - トマト！さん» 夜分遅くにすみません。リクエストして頂いた作品なのですが、出来上がったもののR18フラグが立ってしまい新しく『滲んで、溶ける』という方で作らせて頂きました(>_<)そちらを見て頂けると嬉しいです...! (2021年8月13日 0時) (
レス) id: 109fbc533d (このIDを非表示/違反報告)
トマト！ - こんにちは！！もし良ければ、どのcpでもいいので結構濃い裏を書いて欲しいです、、！ (2021年8月8日 2時) (レス) id: 810e0e885e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこっぺ | 作成日時：2021年7月21日 18時
