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「...気づいてたんだ。」
「うん、気づいてたよ。」
北斗は汗で張り付いた前髪をよけながら答えた。その姿はとても艶めかしかった。
そっか、気づいていたのか。でも...
「全部、俺だけを見てくれない北斗が悪いんだよ？」
この前も知らない学年の女の子に告白されていたし。
俺だけを見てて欲しかった。助けてくれる存在は俺だけなんだって思わせたかった。
だからそう仕向けた。なんて汚くて歪んでいるのだろうかと言われても仕方がない。
「ねえ、逆になんで俺が主犯だって知ってるのに俺のこと避けないの？なんで知らないフリをしたの？」
「だって、俺だけに夢中になる樹が好きなんだもん。だからどんなに苦しくても頑張ったよ。」
北斗はえへへと笑った。この状況に相応しくないくらい可愛い笑い方だった。だから少しの恐怖を覚えた。
「ねえ、いつも俺の事どういじめようかって考えてたんでしょ？そしてどう助けようかって。」
「他に俺の事をいじめてくる奴は嫌いだけど、樹の事は好きだよ。だから安心して？」
なにかのスイッチが入ったのか、いつもと別人のような甘ったるい声で話し始めた北斗。
「樹の頭の中がいつも俺中心なんだって思うとゾクゾクするもん。」
「北斗、」
俺はただ彼の名前を呼ぶことしか出来なかった。
北斗が1歩前に足を踏み出した。カチリとおそろいのキーホルダーの当たる音がして、俺の視界に北斗の顔がドアップに映った。
「だからさ、もっと俺の事いじめて、そのたびに救ってよ？俺が死なないようにさ？」
暑い筈なのに俺の背中は冷たかった。
狂っていたのはお互い様だったのか。そう思いながら目の前の怖いくらい愛おしい君を抱きしめたのだった。
＊＊＊
少女レイって曲の『おそろいのキーホルダー』という部分をとって書きました。この曲も凄いし、この曲の元となったドラマも凄いです。心抉られます(涙)
こんな暗い感じのお話ばかり思いついてしまいます(汗)ごめんなさい💦
次こそ明るいお話書きたいです...!(願望)
2人きりの音楽室で(Red×Pink)→←狂っていたのは(Blue×Black)
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ゆきんこっぺ(プロフ) - トマト！さん» 夜分遅くにすみません。リクエストして頂いた作品なのですが、出来上がったもののR18フラグが立ってしまい新しく『滲んで、溶ける』という方で作らせて頂きました(>_<)そちらを見て頂けると嬉しいです...! (2021年8月13日 0時) (
レス) id: 109fbc533d (このIDを非表示/違反報告)
トマト！ - こんにちは！！もし良ければ、どのcpでもいいので結構濃い裏を書いて欲しいです、、！ (2021年8月8日 2時) (レス) id: 810e0e885e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこっぺ | 作成日時：2021年7月21日 18時
