【ツキウタ】信じたモノを守り抜け【文スト】

19話・世界は残酷だ ページ35

「…ん、…んん…？」

これはきっと日記なんだろうけど、読み進めて、英語じゃない気が途中からした。似たようなのだから、フランス語とかそこら辺？とりあえず、英語ではない。読めない。

「駆さん！居ないと思ったらここだったのか！！」

「あれ恋！何か用あったの？」

「用も何も！隣の部屋の俺の部屋の窓も割れて来たから避難！」

「あ、あぁ…；」

…同じような時に窓が割れるって…。不運な二人だな、この駆？と恋？…は。
いやそんな事思ってる場合じゃない。この部屋、四面全てが本棚だ。真ん中にポツンと、テーブルがあるだけで。しかも英語じゃない本ばかりだ。…この何百冊とある中から、英語のものを探すのは無理だろう。けれど、まだ1/2しか見ていない。他の棚はどうだ。

…ある程度の結果。
机のイス近くの本棚のほとんどが日記。他周りにあるのは小説や物語だと思われる。いつくか英語、日本語のものもあり、その他はフランス語・ドイツ語・ロシア語・イタリア語と思われる。
日記は一部日本語、大体の重要と思われるところはフランス語・ロシア語のどちらかだ。
日本語の文学作品は「坊っちゃん」や「やまなし」など子供でも読みやすいようなものからマニアックな「うたかたの記」などまで色々。全て作者不明と記されている。
英語などの文学作品は「赤毛のアン」「若草物語」など有名なものは勿論、「夜はやさし」「泉の幻影」「息の喪失」などもある。こちらも全て、作者不明だ。
…ただ本の内容を軽く見通す限り、好きなジャンルは特になし。所謂、雑食か。
そして床に落ちている本は、本型にされた資料のようだった。色々と書かれているが、舞台設定とかと書いてある。…そういえば、机の上に筆記用具もあった。ここで、小説でも書いてるのかな。

「…ん？お、晴れてきたぁ！！」

「あー良かった…、これで服が干せる〜…」

どうやら、晴れたみたいだ。本を色々見るのに時間もかかったし、一時間は経ってるのなら、まぁそりゃそうか。一分もしない内に、足音が少なくなった。
ふぁぁ、と欠伸をする。ちょっと眠くて、瞬きよりも数秒長いくらいだけ目を閉じた。


＿＿そして、目をあける。

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