レシーブ ページ4
「ふぅ…なんとかギリギリセーフ、って感じ…」
「良かったんじゃん?まぁ、黒瀬は勉強会でも教える側だったよねー」
「赤葦もでしょ?」
夏合宿がかかった定期テスト。
ここで赤点を取れば夏合宿は途中参加。
なんとしても赤点は回避したいところだ。
「へいへいへーい!!」
「いつにも増してテンション高い…」
「木兎さん、テスト、どうでしたか?」
木兎さんは肩に掛けていたエナメルバックからゴソゴソとぐしゃぐしゃになった回答用紙を取り出した。
それを、俺と赤葦に手渡した。
「赤点が…」
「ひとつも…」
「「ない!?」」
「どっどどど、どうしたんですか!?」
「まさか、こんなことになるなんて。」
俺は、木兎さんに回答用紙を返した。
動揺を隠せないまま彼の肩を揺すった。
「へいへいへーい!木葉の教え方が上手かったからなー」
「うわぁー、あの人、賢いんだー。意外過ぎて引く。」
「先輩だよ!?」
よくあるのが噂をすれば本人の登場。
今回も同じだった。
「意外で悪かったな。」
「うわぁ、でた。本人、」
「やめろ、赤葦。」
後ろからにゅっと現れた木葉さん。
『意外で悪かったな』と吐き捨て部室へ向かった。
やばい、心配事増えてきた…
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作者名:孤月蛍磨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tukisimaka1/)
作成日時:2015年6月18日 20時