49話 ページ2
深い、深い…とても深い眠りだった。
そう、私は眠っていたんだ。
ずっと、ずーっと＿＿＿＿
前に起きたのはいつだっけ。
ここは前に見ていた景色とは違う。
まぁ、そんな事は何だって…どうだっていい。
意識もハッキリしてる。
今までモヤがかかっていたように見ていた夢(現実)が鮮明に見えている。
やっと＿＿＿＿
・
・
＿＿＿＿力を使える日が来た。
BEAST
『はじめまして。私＿＿＿BEAST。ねぇ＿＿』
取り囲むように戦闘態勢を見せる目の前の子達。
何故…??
あぁ、そうか。
私が＿＿＿＿怖いんだ。
怖い、恐い、コワイ。
それは…恐れ？畏れ？オソレ？
何でもいいよ。どうだっていい。
・
・
『＿＿＿＿私の愛しい人はどこ？』
・
・
どこに行ってしまったの？
…あ、そうだ。
みんなみんな、消えてしまえば私とあの人だけが残るね。
みんな皆…消してしまえば、解決するよね。
消しちゃうなんて、簡単な事だよね。
『ごめんなさい、名前も知らない貴方達。さようならの挨拶をしましょう…』
・
・
・
〜相澤side〜
人質役をしてから約数十分。
生徒達が俺を見つけてからというもの。
彼等は状況を考えて行動を示していた。
そう。八百万達の判断は正しい。
俺を囲うこの檻も、床に散りばめられたキラキラの《破片》も全てAの剣だ。
破片は触れると《再成》する。
つまりは1つの剣が魔法にかけられて圧縮していたものが解かれるという具合。
檻に鍵がない事もよく気がついた。
芦戸がいなければこの檻は溶かせない。
麗日がいなければ俺の元には辿り着けない。
そう考えたんだろうな…Aは。
だがそれは甘い考えだ。
やろうと思えば2人を呼ばなくたっていくらでも方法はある。
まぁ、時間との勝負だと2人を呼ぶのが早い、それにここに飯田がいない事を見ると、確かにいい采配だ。
案の定、飯田が麗日と芦戸を連れて姿を見せた。
苦戦しつつも俺の救出に奮迅する生徒達は、少し、ヒーローとしての芽が育った様に見えた。
ジュワジュワと酸が檻を溶かしていく。
手元に置かれた業務用の時計を見ても、そこまで時間は経っていないが、まだまだ合格ラインはギリといったところか…
安堵した生徒達の中で、八百万と飯田の顔色が優れない事に気づく。
《つづく》
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月王子(プロフ) - かっちゃん様 コメントありがとうございます！そう言って頂けると凄く嬉しいです！とても励みになりました。これからも暖かい目で読んで頂けますと幸いです！ (2020年6月5日 22時) (
レス) id: 3b2a481344 (このIDを非表示/違反報告)
かっちゃん - めちゃくちゃ面白いです！1から一気見しちゃいました！笑相澤先生カッコよすぎるー！この先がすごく気になる！！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月4日 21時) (レス) id: 1736336eab (このIDを非表示/違反報告)
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