13粒 〜ユーマside〜 ページ14
さわさわと木陰が揺れる。
綺麗な月を見ていた。
理由はない。
ただ、見上げれば月があっただけのこと。
ただ……何となく……思い出せそうな気がした……。
俺は知っていたんだ。
あの紅茶の味を……。
記憶はなくても舌があの味を覚えていた…。
なぜ……？
あの女の人とは初めて会った筈だ。
なら、同じ茶葉を使った紅茶を飲んだと考えるのが普通だ。
でも、あの人は特製茶葉と言っていた。
わからねぇ……。
考えれば考えるほどわからなくなる。
制服のポケットから角砂糖を出して口に含む。
ガリガリ……ガリガリ……
俺が甘党だって事も気づいてた。
俺を知っている様な……そんな気がする。
ル「ユーマ、行くぞ」
少し先を歩いていたルキが俺を呼ぶ。
ユ「なぁ、あの生徒会長の人、何処かで会った事とかある…？」
ル「生徒会長か、確か名前は逆巻Aと言ったな。逆巻家の長女みたいだな。予想と随分違った御方だったな。」
ユ「逆巻A……か…」
キィィィィィィィン
ユ「っ！？」
突然の耳鳴りと共に頭に割れるような痛み。
ル「ユーマ！？どうした！？」
ルキが駆け寄りふらつくユーマを支える。
ガンガンと頭が痛くなる。
何も考えられない。
逆巻A………。
俺は知っているのか？
あの人とは何処で…？
ボヤボヤと記憶が見え隠れする。
これは……？
小さい頃の俺……？
笑ってる……。
手にはティーカップを持って……。
俺の前にはクリーム色の髪をした同じ年くらいの貴族らしい格好をした少年。
俺の横には……
キィィィィィィィン
耳鳴りが酷くなりボヤボヤも見えなくなった。
俺の横にいたのは……ダレ…？
ル「おいっ！大丈夫か、ユーマ！」
ユ「っ！ルキ…」
ルキは俺を見て溜息をついた。
ル「気分が優れないみたいだな、今日は帰ろう。」
ユ「あぁ…」
トボトボと足を動かす。
あれは何だったんだ……？
俺の記憶？
駄目だ、まだ耳鳴りがする。
これ以上考えるのはやめよう。
もしも過去の記憶だとしたら、俺は知りたいのか…？
その疑問がある限り、あまり考えても意味がない。
頭を上に向ければ変わりのない空にキラキラとした月。
俺は空の月をジッと見た。
誰かが俺と同じ月を見ていることを思いながら…。
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ゆりか(プロフ) - とても続きが気になります！！更新待ってます！！^ ^ (2020年7月7日 1時) (
レス) id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
SM - ライトくんLOVE×無限 更新頑張ってください (2020年4月4日 20時) (レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
いなほ* - いつの間にか更新されついる…！！この作品好きです！これからも頑張ってください！ 応援してます！！ (2018年3月28日 14時) (レス) id: b24eaa9697 (このIDを非表示/違反報告)
アユムー - 本当に、この話好きです！１日で読んじゃいました！(笑)更新頑張ってください！ (2018年2月11日 7時) (レス) id: 1aa9ff3736 (このIDを非表示/違反報告)
白薔薇@スバルlove - なんて素敵な話しなんだ…もろタイプ(真顔)話しの続きがとても気になっていたのでコメントさせてもらいました！無神兄弟と夢主の絡みが見たい(´. .` )更新頑張ってください！ずっと待ってます♪ (2017年1月10日 23時) (レス) id: a75230426b (このIDを非表示/違反報告)
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