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まわらない頭をフル回転させて
なんとか住所を伝えたけど、
「こっからまあまあ遠いんやね。」
優しい口調で話されて
またまた睡魔に襲われる。
40分くらいかかりますねー、という運転手さんの声のあとに
「ん、寝てな。」
頭の上に感じるあったかくて大きな手を認識したあたりで
わたしは意識を手放した。
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「・・い、おーい、」
耳元から発せられる声と
むぎゅう、と握りつぶされるほっぺ。
『・・・んぅ、』
「あ、起きたー。もうすぐ家着くってー。」
あ、そうか。てつやくんか。
飲酒による深い眠りのせいで
ついさっきまでの出来事も消えかかっていた。
「ねえ、LINE交換しん?」
『、んぇ?』
わたしの寝起きすぎる声にカッカッと笑いながら
スマホの画面をこちらに向けてくる。
『んう、まぶし、。』
どう?目、覚めた?と覗き込まれても。
『んー、らいん、どこだっけ。』
「はいはい貸してみなさい。」
ひょいっとわたしの指をすり抜けて
勝手に開かれるアプリ。
「はい、おっけー。」
ふーん、こんな感じなんだー、と
わたしのプロフィールをまじまじと見るから
『ちょ、やめて・・・』
流石に頭も少しずつ冴えてきて
恥ずかしさと、てつやくんに対する何だか分からない気持ちで胸が痛くなる。
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着きましたよー、という運転手さんの声。
ああ、もうお別れかあ、
なんかさみしいな。
『また、会える、?』
考えずに発してしまったこの言葉に
「ん?会えるでしょ。」
てか会いにくるわ、と窓の外を見渡して場所を確認するてつやくん。
素直に、うれしい。
『きょうは本当にありがとね。』
開いた窓の奥にいるてつやくんに手を振る。
「ん、また連絡する。」
〜〜までお願いします、という声とともに発車するタクシー。
あー、行っちゃった。
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ぴ - こんな素敵なお話が無料で読めるなんて…。。とても面白かったです!今から続編見てきます楽しみです! (2021年1月8日 21時) (レス) id: f511a09636 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます!!橙さんのピュアピュアなお話はやはり良きですなぁ〜!今後のお二人にも期待ですね!!!素敵なお話をありがとうございました! (2020年12月19日 7時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - はじめまして!小さい小さいおじさんに思わず笑っちゃいました!すれ違う2人の気持ちにギャンギャンしてます!これからも更新楽しみにしてますー!! (2020年10月27日 1時) (レス) id: 2797378088 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - はじめまして(*^^*)新話がでるたびにニヤニヤしながら見ています(*´ー`*)緑推しですが、橙もいいですねー! (2020年10月19日 5時) (レス) id: 4e98ffd1fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ね子 | 作成日時:2020年10月16日 10時