橙と私

#30 ページ30

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(tetsuya side)




Aちゃんが俺の服をだぼだぼに着ながら


目の前に現れてから数分。





未だに頭が

冴えてるような、ぼーっとしているような。





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着ちゃだめだった・・？なんて首を傾げられて


興奮しないわけがない。





メンバーがいるし、と


なんとか理性を保っているけど。






まったく頭が回らなくて

会話してても返事が出てこない。





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虫「どうしたの？2人とも。気まずそうにして。」





違う、そうじゃない。




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『・・ん？そ、そんなこと、ないよ、！』





焦ってこっちを見るAちゃん。


頼むからそんな顔で見るな。かわいすぎる。





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眼鏡のヤローに悟られないように


目を逸らして余裕のあるフリ。




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りょうが来て


俺のズボンを探しに、2人で廊下へ出て行く。





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やっとズボンを履いてくれる。


俺の服を着てるだけでこっちは限界だってのに。






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・・・長くね？





ズボンを履くだけ。


そんな何分もかかることじゃないはず。





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『・・・すき。』




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廊下へ一歩出て、聞こえた言葉。



たしかに、Aちゃんの声。





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はぁ、同じグループに紳士がいると困る。



俺のかわいいAちゃんまで虜にしてんじゃないよ。





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さっきまでのウキウキした気持ちは消えて


一気に気分が下がる。





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この俺が朝から編集してやるからな！




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部屋に戻ってきた2人。



くそう、お似合いじゃねえか。




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半分投げやりな気持ちでパソコンをいじっていれば


いつの間にか来てたなにも知らないメンバーから

俺とAちゃんに質問攻め。





こっちは数秒前に失恋してんだよ！！





・・ん？




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そっか。


俺、恋してたのか。





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と「大丈夫？何もされてない？」






馬鹿野郎、こっちは恋してんだよ！


そんな簡単に手出せるわけないだろ！





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「んなわけねーだろバカぁ。」





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Aちゃんと目が合う。





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なんでそんな悲しい顔しとるんだ。


変な期待してしまうからやめてくれ。





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今更2人で寝たエピソードに食いつくんじゃあないよ。





ゆ「お前やるなあ。」





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好きな子がソファで寝てたら横で寝るだろ、普通。




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