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(tetsuya side)
俺の粘りの姿勢のおかげで
なんとかAちゃんと2人で朝を迎えられることになった。
ざわくんも空気を読んでくれて秒で帰っていった。
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それでもAちゃんはやっぱり緊張してて
居心地は良くなさそうで。
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酔いさましも兼ねてシャワーを勧めても
『でも服が・・・』
下着なんて1日くらい代えなくたって大丈夫でしょ、なんて言えるわけもなく
2人で夜のコンビニへ向かう。
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歩いている道中も
やっぱり2人の距離感が気になる。
俺と2人なの、嫌?
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それとも怖がってるとか?
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「あのさ、別に何もしないから大丈夫だよ。」
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距離感に耐え切れずに思い切って言ってみる。
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『・・?なんのこと?』
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Aちゃんの鈍感なところはかわいいけど
こういう時に発動されると、こっちが困ってしまうな。
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「ん、別になんでもない。」
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下心がゼロかと言われれば
そんなことは無い。
もっとも、
最初にAちゃんに近付いたのは下心からだし。
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それでも、
抱きたい、とか、そういうんじゃなくて
別の感情なんだよなぁ。
どうした、俺。
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ひとりで考え事してればあっという間にコンビニ。
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ちょうど飲み足りなかったし、と缶チューハイとつまみを選んでいれば
ぽさっとカゴに少しの重みを感じる。
振り返れば
低い背のせいで俺の顔を少し見上げるAちゃん。
こっち見ないで、というような恥じらいを浮かべて上目遣いとは。
狙っとるんかこいつは。
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会計を済まして外へ出る。
行きは気付かなかったけど
Aちゃんこんなに足元おぼつかなかったんだ。
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「手、貸して。」
案外素直に手を差し出してくれる。
あーめちゃくちゃかわいい。
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この俺が2人で夜にコンビニだなんて
なんか甘酸っぱすぎるな。
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「俺らってカップルに見えてんのかな。」
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まったく返事がなくて
調子に乗りすぎた、と反省した。
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思ってたの、俺だけだったっぽい。
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ミスった。
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ぴ - こんな素敵なお話が無料で読めるなんて…。。とても面白かったです!今から続編見てきます楽しみです! (2021年1月8日 21時) (レス) id: f511a09636 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 完結おめでとうございます!!橙さんのピュアピュアなお話はやはり良きですなぁ〜!今後のお二人にも期待ですね!!!素敵なお話をありがとうございました! (2020年12月19日 7時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - はじめまして!小さい小さいおじさんに思わず笑っちゃいました!すれ違う2人の気持ちにギャンギャンしてます!これからも更新楽しみにしてますー!! (2020年10月27日 1時) (レス) id: 2797378088 (このIDを非表示/違反報告)
はち(プロフ) - はじめまして(*^^*)新話がでるたびにニヤニヤしながら見ています(*´ー`*)緑推しですが、橙もいいですねー! (2020年10月19日 5時) (レス) id: 4e98ffd1fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ね子 | 作成日時:2020年10月16日 10時