橙と私

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(tetsuya side)







晩ご飯じゃんけんでかっこつけようとしたものの


めちゃくちゃ普通に負けたし、








せっかく2人で擬似ドライブデート出来そうだったのに


変に勘のいい虫がついてきやがったし。









今日はなんか上手くいかない。








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それでも車に乗り込めば



なにも言わずとも助手席に乗ってくるAちゃんはかわいい。







虫「なんかAちゃんいい匂いしない？」






は？





は？






は？







『、そう？シャンプーかな。』







多分コイツ俺の邪魔しとるな。








俺がAちゃんのことかわいいって思ってるの気付いててやっとるだろ。


間違いない。






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逆にAちゃんは



『・・？行かないの？』





全く気付いてないんだろうな、この感じ。







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としみつ達と合流して席について注文する。





Aちゃんも酒を頼む。


相も変わらずメニューの中から弱そうなお酒を選んでて思わずにやけそうになる。







あー、かわいい。








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乾杯してたった10分くらいなのに



もうAちゃんのほっぺは赤くなってて


ねむそうな目をしてる。







心配だなー、なんて。



どの目線の意見だよ、と自分で思う。







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2杯目を飲み干して


俺におかわりしていいか聞いてくるかわいい生き物。






狙っとんの？




狙っとらんの？








分からんくらいにあざとい。









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「だめ、飲み過ぎじゃん。」







周りの男どもが俺にブツブツ言ってくる。





たしかに


Aちゃんが3杯飲んだら呂律が回らなくなることとか


すぐ寝そうになることとか



そういうことは俺しか知らないもんなー。







ちょっとした優越感に浸りながら




Aちゃんを優しく説得する。








『うう・・我慢、します。』






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かわいい。






しかしここで俺が照れるなんてことすれば


確実にコイツらは馬鹿にしてくる。







「ん、よろしい。」







なんとか平静を保ってそう返すけど





頭ポンポンされたまま俺の顔を見つめて







『ありがとね。』







そんなこと言われたら無理に決まっとる。









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あー、かわいい。







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