【w.r.w.r.d】私の記憶が無い幼馴染 3 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:9,565 hit

１０４．ページ4

～tntn side～

昼休みになり、ひとらんと雑談しながら生徒会室に向かう

2年の頃は1個上の階やったから行きやすかったけど、今は2個上やからな、地味に疲れる

3階に行く手前、2人の男子生徒とすれ違った

「いやぁ、委員長先輩って見るのは実行委員の時以来やけど
近くで見るとより美人なのが分かるよなぁ...」
「それに、生徒会長も凄かったな！
あの状況から助けるなんて...」

そういう会話が聞こえた
俺は咄嗟にその生徒の腕を掴んだ

「うぇっ！？
あっ、と、トントン先輩...！」

男子生徒は吃驚したように振り返ると不思議そうに首を傾けた

「なぁ、Aとグルッペンになんかあったんか？」

”委員長先輩”恐らくそれはAだ
それに実行委員って言っとったからな

文化祭実行委員の時の話やろ

「え？あー、えっと...」

男子生徒は戸惑いながらもAの話をした

彼らがぶつかってしまった事
それをグルッペンが受け止めた事

「めっちゃキラキラしてましたね
2人とも美人でした

あの2人こそ国宝級の美男美女ですよ」

そう言って遠くを見つめる男子生徒
うん、まあ、分かりみの深い感想やな

「2人がどこ行ったか知らん？」
「あ、書類持っていたので多分、生徒会室かと...」

「助かったわ、ありがとな」

そう言って更に上がっていく
元々生徒会室に行く予定やったからな、行先は変わらんけど

するとひとらんが口を開いた

「凄い偶然だよね
Aちゃんのに危険が迫っている時にグルッペンが居る、だなんて」
「そうやな
でもなぁ、あの2人だったらなんか納得してまうわ」

「...確かにね」

そんな話をしながら階段を上り切り、生徒会室に着いた

音を立てて開く扉
その先には笑っている2人がいた

「ああ、トントン、ひとらん」
「お邪魔してるよ」

俺たちを確認するなり作業をやめて手を振って来るA
少し口角が上がっているグルさん

俺から見たら、その光景は酷く懐かしいものだった

仲が良く、教室に入るといつも2人が駆け寄ってきてくれた

優しく微笑む2人が美しいと思うのは不思議ではなかった

3日後はグルッペンが記憶を無くしてしまった日だ
偶然か何かは分からないが俺らは用事があり、Aもグルさんも1人だ

その日に2人を接触させるのは気が引ける

ただ、2人が何事も無い感じで過ごしてるから何も無いんやろうけど...
と思いながら1日が過ぎていく