【w.r.w.r.d】私の記憶が無い幼馴染 3 (ページ3)

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水曜日、今日は偶々日直で先生に書類を生徒会室に運んでほしいと頼まれた
そう、担任の先生が生徒会の顧問なのだ

前が見えない程の書類だったのだが、なぜか相方の人が『用事があるからごめん！』という事で1人で運ぶことに

生徒会室は何故か4階にあり
私たち3年の教室があるのは2階

大変だなぁ...と思いながらも昼休み中に運ぼうと足を動かす

丁度2年の教室がある3階に着く階段
前が見えないので、少しずつ上がっていた

やっと最後の一段だった

上がり切ろうと足を上げた瞬間だった

走ってきたであろう生徒が角から現れた

「きゃっ....！！」
「うおっ！？」

傾く体と、衝撃でバラバラになっていく書類たち

宙を舞う書類の隙間から見えた男子生徒の表情は驚愕に染まっていた
それと同時に少し安心しているような顔色も伺えた

手摺を掴もうとした右手は届かず宙を舞った

全てがスローモーションに見えて
これから来る痛みに耐えようと、ぎゅっと目を瞑った

だが、その瞬間ふわりと抱き留められた
懐かしい香りと人の温もりが感じられた

「...大丈夫か？」

抱き留めてくれた人は少し焦ったような表情を見せ、問いかけて来る
そして、私を抱き留めてくれたのはグルッペンだった

不安そうな声色で問いかけて来るが私はグルッペンが抱き留めてくれたお陰で何もない

「あ、ありがとう
大丈夫、何にもないよ」

グルッペンは抱き留めてくれたというか...
まず、首の後ろを片手で支えられて、背中ら辺を膝で支えられて、最後に膝の後ろを手で支えられているので、グルッペンは跪いているような状態になっていてそこから私が横抱きにされている状態

恥ずかしいけど、斜め横後ろからよくそんな事出来たな、と感心している

私が大丈夫、というと安心したように下ろしてくれた
それから男子生徒が安心したようにしていたのは後ろにグルッペンがいたからか、と納得する

書類は10枚ずつの束になっていたので拾うのにそれ程時間は使わなかった
それに、ぶつかった男子生徒と、その人を追いかけまわしていた人も手伝ってくれたので更に早かった

「す、すみませんでした...！」

男子生徒は深々と頭を下げて来た
ネクタイの色を見る限りじゃ2年生だ

「頭を上げて
結果的に何も無かったのだから別にいいのよ」

「あ、ありがとうございます！
本当にすみませんでした！！」

そう言って2人の男子生徒は去っていった

私は運ぶのを再開し、グルッペンはそれを手伝ってくれた