【w.r.w.r.d】私の記憶が無い幼馴染 3 (ページ15)

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１１５．ページ15

～no side～

「ねぇ、幸せ？」
「ああ、Aと居るんだ、幸せに決まってる」
「ふふ、私も、グルッペンがいるから幸せだよ」

あれからお互いの思いを打ち明けた2人
小さい頃の距離よりも一層近くなり、仲睦まじくなっている

今はと言うとグルッペンの家へ向かっている

グルッペンの母はAの事をとても可愛がっていて、記憶についてはとても悲しんでいた

「...そう言えば、まだ記憶の話してないんでしょ？」
「？ああ、2人で言おうと思っていたからな」

「大丈夫かな、私」

不安そうな顔でグルッペンを見た
だが、グルッペンはそんなAの頭をくしゃくしゃと撫で回し言った

「俺の親がどうであろうと、俺がお前を愛しているのに変わりはない」

そんなグルッペンのセリフに、目を見開いたが、微笑んだ

そんなこんなで歩いていると、グルッペンの家が見えた
大きく、貴族の屋敷か、とでもいうような家だ

門をくぐり、玄関の扉を開く

「ただいま」
「お、お邪魔します」

グルッペンが普通に挨拶するのに対し、Aは小さく言った

リビングの方からパタパタと音がして、グルッペンの母が顔を出した

「おかえりなさい、随分と早かったわね
って、あれ...？」

吃驚したようにAの顔を見つめている

Aは冷静に挨拶をした

「お久しぶりです
星宮Aです」

「え？え？」と困惑するグルッペンの母を他所に、2人は仲良く笑っていた
そんな様子を見てグルッペンの母は察した

「もしかして...記憶...」

「ああ、この通り戻った」

「まぁ...まぁ...
じゃあ！付き合ってるのね！」

吃驚したような顔を見せたが、目をキラキラとさせながら両手を合わせて聞いてくる

2人は困ったような顔を見せたと思うと笑った

「まぁ、な」
「まぁ！まぁ！
Aちゃんは幸せ？」

「ふふっ、とっても！」
「良かったわぁ！
じゃあ、リビングでゆっくり話しましょう！」

満面の笑みで答えるAを見ると、そう言い残してリビングに戻っていく

2人もその後を追った

グルッペンの母はAを快く受け入れた

Aの「危ない目に遭わせたから、受け入れてもらえないんじゃ」という心配は杞憂に終わった
杞憂どころか、グルッペンの母はAをお嫁に...と心の中で考えていた

色々な話をしてから、グルッペンはAを家まで送り届けてその日は終わった