【w.r.w.r.d】私の記憶が無い幼馴染

１６． ページ16

朝、カーテンから入って来る白い光に目を細めながら起き上がる


欠伸をしながら洗面所に行って、といつも通りにする

でも、今日は特別
いや、今日だけじゃないけど

そう、海旅行の初日が今日


荷物は昨日の内に準備しておいたので、あとは身なりを整えるだけ


鬱君とエーミールさんに聞いた話だと、派手過ぎなければ基本服装はなんでもOKらしい

緩すぎて少し心配になってくるレベルだよね


私は休日着ているような服を着て行く事にした


みんなが来るまで適当にスマホを弄る

つい、手が写真に行ってしまうのはずっと頭から彼が離れないからだろう
海旅行では気をつけなきゃね


暫くは写真を見ていたのだが、インターホンが鳴った
きっと誰かが来たのだろう

玄関のドアを開けると全員がいた
まさかみんなで来るとは思わなかったよ


「行こー！」


荷物は玄関の近くに置いてあったので優菜に返事をしてから戸締りをし、みんなを追いかけた

学校まで登校するように歩いていき、バスに乗る


行きのバスは優菜が隣になった
まぁ、理由は優菜の方が先に乗ったから

ということで帰りの隣は鬱君となった


正直言ってどっちでも大丈夫なんだけどね




数時間かけて海まで着くと、みんなが騒ぎながらバスから降りて行く

私もバス運転手さんから荷物を受け取り、優菜と歩き出すのだが、なぜか後輩に止められる


「うぐっ....」


襟を掴まれたので、首が絞まる

私を殺したいのかな！？



「首、首絞まってるよ
...鬱君」


私が言うと、手を放される
止まったんだからさ、もっと早く放してよ


後ろに振り返れば息を切らしてる鬱君

走ってきたの...？


そこまで間無かったよね？


「いや、ほんまに、先輩たち足速すぎひん？」


息を整えた鬱君はそう言った

いや、違うんだよ鬱君
私たちが速いんじゃなくて、君が遅いんだよ


「今めっちゃ悪口言われた気がするんやけど...」


めっちゃ睨んできたから目を逸らしておいた



海旅行の初日は海には行かない
観光をするらしい

そこら辺は鬱君とエーミールさんに託した

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