◇３４． ページ34
その声が聞こえたとたんに扉を勢いよく閉めた
いや、正確に言えば出来なかったのだが
その声の主が足を挟んで閉めさせまいとしているのだ
「どっ、どちらさまでしょうか」
試しに他人の振り
しかし
「知ってるだろう」
その一言で終わった
いや、これどうすればいい？？
「う、うつ、助けて」
扉を掴んだまま言えば、優しく掴んでいた手を離される
と、同時に足で勢いよく扉を開ける会長
待て待て、扉が壊れる
切実に
「と、扉が....壊れる...
力加減...考えろよ...馬鹿か...？」
「A、目、死んでるで」
いや、当たり前でしょ
ガチで壊れるかと思ったわ
先輩に馬鹿と言ったのは謝ろう
だが原因は先輩だぞ？
「ほぉ、馬鹿とは失礼だとは思わんか？」
「いやグルさん？原因あんたやからな？」
流石ですマフラー先輩
言いたい事言ってくれて本当に助かります
「グルちゃん〜？？
邪魔やでそこ
出れへん」
さっきまで私の後ろにいた鬱は隣にいた
「...なんでこんな人おんの？」
「えっ、Aの関西弁久しぶりに聞いたわ」
「...うん、突っ込むところ違うよね」
確かに久しぶりに言ったけどさ
なんで此間送られてきた写真の人達全員いるの？
可笑しいって
私なんかしたかな...
先輩が退いてくれたので、靴を履いて外に出る
外に出てまず向かうのは佑月
「ん、佑月のお弁当
今日は手抜きしてないからね」
「ありがとー」
そう言って受け取ってくれた
言わないけど、佑月はどっちかって言う序でなんだよね
鬱の作って、序でにって感じ
申し訳ないから言わないけど
「...序でって事、知ってるからね？」
「ヒェッ...」
耳打ちされた
き、気付いてたんですね...
ははは...
「ま、作ってくれてるから文句は言わないけど」
「うっ...ごめんね？」
謝ると何故か頭を撫でてくれる
んん、鬱の撫で方の方が好きだけど佑月の撫で方も好き
そんな事を思ってると、何故か頭の上から手が消えた
「...Aの頭撫でて良いのは俺だけやで？」
「は？なにそれ
Aだって、気持ちよさそうにしてたじゃん」
2人とも喧嘩をしないでくれ
2人は私よりも身長が高いので私の上に言い合っている形になってる
てかさ、他の人達置いてけぼりだからね？
「...2人共、喧嘩するんやったら
お弁当作らんし、今日の分も回収させてもらうけど？
どうするつもりなん？」
自分で出来る限りの笑顔で言う
やっぱり関西弁でちゃうな
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