君が、伝えたかったこと ページ7
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「ジロちゃん……！」
自分の声で、はっと目を覚ます。
そこは見慣れた自分の家。そばにいたお母さんが、不思議な顔をして私を見ていた。
(……あ……れ……？)
ジロちゃんは？あの丘は？私、ずっとジロちゃんと一緒にいたのに。
ジロちゃんは……？
尋ねてきたお母さんを適当に誤魔化して、私は外に出た。
……ジロちゃんは、どこに行っちゃったんだろう。
まだ、一緒にいたかったのに。まだ、あの問の答えすらも聞いてないのに。
ジロちゃん……
「そういえば、聞いた？」
ふと足を止めた。
近くで、近所のおばさんたちがなにやら噂話を盛り上がっている。
「ここいらで軍に行った子、いるだろ。」
「ああー、白い軍服着てた子たちねえ。入隊してすぐ出世したらしいじゃあないの。」
「そうそう。その子たちね、どうやら亡くなったみたいなんだよ。」
「あらあ！そうねえ、近頃物騒だものねえ……」
「親としては悲しいものよねえ。大方の亭主は喜んでいたみたいだけど……何がいいのかしらねえ。国のために死ぬなんて。」
「ああ、だからあんなに落ち込んでたんだね。芥川さん家の奥さん……」
……え？
芥川？
……芥川って、ジロちゃん？
私は立ち止まったきり、しばらくそこから動けなかった。
その後。私は、ジロちゃんが死んだということを、はっきりと聞いたのだった。
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幻想曲(プロフ) - 鳴菜瀬さん» きゃーありがとうございます！！そう言っていただけると励みになります！！ (2016年1月4日 19時) (
レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
鳴菜瀬(プロフ) - 幻想曲さんの書く小説はどれも好きです。庭球浪漫を読むとどれも毎回涙で画面をぬらしてしまいまい、読み終わって下を見ると……ちょっとした水溜りが出来ています(´・ω・｀)笑。幻想曲さん！これからも頑張ってください！応援しています！ (2016年1月3日 0時) (レス) id: 75733470f8 (このIDを非表示/違反報告)
幻想曲(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます！！！次作もいつになるかはわかりませんが、待っていただけたら嬉しいです<(_ _*)> (2015年12月27日 0時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - いつも庭球浪漫楽しく読ませてもらっております！今回のジローちゃんお話も凄く良かったです!!読み終わったあとに「DayDream」聞いて泣きました。短編なのに、こんなにも切なさが伝わってきて、毎回泣いて読んでいます。次作の庭球浪漫も楽しみです！ (2015年12月26日 17時) (レス) id: cc55a16cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幻想曲 | 作者ホームページ：http://uranai.amanoboru
作成日時：2015年12月26日 16時
