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｢あ、侑李。待たせてごめんね、終わったから行こ｣
そう言って玄関へ向かおうとした瞬間、
突然手を引かれて
気付いた時には侑李の腕の中に収まっていた。
｢え、ゆ、侑李？｣
知｢……ちょっとだけ｣
そう言って背中に回された腕に力が入る。
｢……どうしたの？｣
侑李は黙ったまま返事はない。
どうしたもんかと、とりあえず頭を撫でると
知｢……昨日、結構心配した。僕が電話出てればよかったのにって思った。やっとまた会えたのに、Aが体調悪そうなのも、泣いてるのも、なんかやだった。Aは笑った顔がいちばん可愛いのに｣
泣きそうな声で、ぽつりぽつりと口を開いた。
｢…ん？ちょっと待って、私泣いてたの？｣
そう言うと私の肩にうずめてた顔を上げ、
｢覚えてないの？｣ってきょとんとした顔でこちらを見る。
｢ごめん、全然記憶ない。……体調悪かったのに酒なんて飲んだのは自業自得だし、挙句泣き晒して迷惑かけて。本当にごめんね｣
知｢そっか、、疲れ溜まってただけかな、覚えてないならいいよ。あと迷惑なんて思ってないしもう謝るのも禁止。｣
｢…はい。ありがとう。｣
知｢何か辛いことあった時は今度からまず僕を頼ること。わかった？｣
そう言って侑李は優しい顔でこちらを覗き込んできた。
｢…ねぇ。なんで侑李はそんなに私に良くしてくれるの？そんな感じしないけど、いうて会ったのなんて2回目だし、｣
問いに問いで返しちゃったけど、
侑李はうーんと小さく唸って
知｢なんでだろうね、僕もわかんない。でも、初めて見た時からAはなんか僕にとって特別なの｣
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作者名：悠 | 作成日時：2023年9月16日 5時
