四十四 ページ45
それともほんとはやっぱり私が、悪かったの?
何も持ってないから。忘れてないのに。ちゃんと知ってるよ。
ぐるぐるぐるぐる。混乱してきた。
こういう時はどうするんだっけ。笑えばいんだっけ。
う「なんかあったのか?」
「いやいや理由ないと飲まないとか女子か!あっ、私女子だった〜」
う「これ絶対一杯じゃ終わらなかったな…。ほら肩掴まって」
「え、送ってくれるんすか?やっさし〜」
う「そんな状況でひとりで帰らす訳にはいかないからな」
「相変わらずツンデレっすね。その後『別に好きでやってるわけじゃねぇから。勘違いすんなよ』って付きそう」
う「少女漫画かよ…。ほら行くぞ。うしろぶつかる」
私の腕をぐいっと引っ張る力は少し強くて、ふらりと前に倒れると反対の手で肩を押えられる。思わず上を見上げた。思ったよりも近くに彼の顔面があって、やっぱりかわいい顔してるなぁ、かっこいいなぁと眺めた。すると手のひらで目元を隠される。
う「見すぎだろ…」
「いやぁ、あんまりにもかわいかったもんで」
う「うるさいわ」
そう言ってそっぽを向いたかと思うと腕を掴まれたまま引っ張られる。どうやらほんとに送ってくれるらしい。
う「そういやぁ、今日まーしぃとコラボって言ってなった?」
「よく知ってますねぇ。お仕事の収録が長引きそうだからなしになったんです」
う「へぇ。てか最近コラボまた増えてきたよな。live2Dにもなったし、この調子で歌出す?ライブする?」
「まだ未定だなぁ」
う「そうなのか。やればいいのに…」
「なに、期待してくれてんすか?」
う「するよ。そりゃあ、ファンだからな」
「……ほぉーん」
う「何その反応w 初めて見たんだけど」
「だって、ファンだとか、びっくりして」
う「お前だって俺たちのファンだって言ってんじゃん」
「そ、それとこれとは違うくない?」
う「一緒だよ」
「おぉ、随分はっきり言い切りますね」
う「まあね、それだけ長い付き合いになってきましたから」
「例えば?」といつもはしない続きを求めた。そこに答えがある気がして。
う「例えば尊敬してて、憧れてて、同じようにはなれないけどいつもどこか意識してる。自分も頑張んなきゃって焦る反面、ああはなれないとどこか諦めてて、けど諦めきれなくて、気づくとまた見てる。
今の自分が好きで、今立ってる場所が居場所なんだって思えるし、求められてることもやりたいことも違うのに、それでも」
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ななき。(プロフ) - かんずめさん» かんずめさん!お久しぶりですー!だいぶご無沙汰しておりました。なんて嬉しいお言葉!好きなものを好きなようにかける環境があるのもかんずめさんのような読者さんがいてくれるおかげです。コツコツ書いていこうと思います!今作もよろしくお願いします! (2021年12月26日 23時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - しおさん» お久しぶりですしおさん!長らくお待たせしまってすみません…。そう言っていただけると自分のペースで頑張れます!色んなところで雪降り出しましたね。たくさん服着込んで作品作り頑張らせていただきます! (2021年12月26日 23時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 緇さん» はじめまして!コメントありがとうございます。たくさん読んでくださっているんですね?!ご期待に添えるように今回もがんばらせていただきます!(貴重なご意見ありがとうございます(´▽`人) (2021年12月26日 23時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
かんずめ(プロフ) - お久しぶりです。久々にななきさんの新作が出て舞い上がりました。ななきさんの作品が読めるだけでも嬉しいので、躊躇なく好きなように投稿してください!どの界隈の作品も好きなので!語彙力がなく上手く伝わるかどうか不安なのですが、無理はしないでください。 (2021年12月23日 20時) (レス) @page1 id: 6f646e69ca (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - ななきさんの作品が読めるこの環境だけで大変ありがたいことなのでどうぞお好きなようにしてください!毎日寒いですし、お体には十分ご留意くださいね (2021年12月23日 19時) (レス) id: 3a34b78acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2021年12月23日 17時