フローズンマルガリータ ページ9
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入「お、ちぃちゃんじゃん」
「みゆくん、おつかれ」
入「おつかれ〜。
こんな所でボーッとしてますけど、誰か待ってんの？」
「あぁ、うん、まあね」
入「なぁに、その歯切れの悪い感じ」
スマホ片手に現れたのは入野自由。良平くんの紹介で話してたら、自由くんとも共演してることがわかって、それからよく飲みに行っている。同い年で、今では気の合う友人だ。
入「んー、ご飯でもと思ったけど、先約がありそうだな」
「すまんね。また今度私から誘うよ」
入「おう、まってるわ〜」
手を振り、ロビーの方へ向かう自由くん。……が、踵を返し戻ってきた。
「……え、なに？」
私の前に立つと、ぽんっと頭に手を置かれてしまった。驚いて見つめ返すとポソッと呟いた。
入「んー、やっぱ変わってない」
「……なにが？」
入「身長だよ身長。167だろ？」
「低いの気にしてんの？」
入「いいや低いのは別にいい、諦めたし」
「諦めちゃったんだ……」
入「ちぃちゃんを追い越したことないなぁ、ってふと思ってさ」
「あー、まあ、子供の頃は女子の方が成長早いし、中学とかでは抜かれてたよ、きっと」
入「……うん、そういうとこだよな」
「はい？」
入「ちぃちゃんってよく人いじってるけど絶対悪口言わないし、ちぃちゃんと比べるようなこと言ったら必ず相手をたてるじゃん？」
「………まあ、人の魅力はそれぞれですし」
入「そういうとこ、俺はいいと思うけど、前にそれを『偽善』だって言われて気にしてたよね」
「……まあ、そうね」
入「……気づいてると思うよ。ファンのみんなも、同業者の奴らも、みんなとは言わないけどさ、きっとたくさんの人がちぃちゃんはいい人だって分かってる」
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年5月7日 20時
