四十六《kuzuha side》 ページ46
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《kuzuha side》
ひとつずつ拾って、かき集めて、触れて撫でて、確かめて。
そうやって溜まった欠片を並べて見る。
それは誰でもない俺だけのもので、誰にもやるもんかって思ってた。そもそも見たがる物好きなんて居ないだろうしって変なところで諦めてた。
隣で眠るこの彼女に俺が心を許したのはいつ？
自分から話しかけるようになったのはいつ？
笑顔を見ると内心が浮つくのはいつからだ？
好意も善意もある種の押しつけだと思ってた。
俺から好かれて喜ぶ人はいないんじゃないかって卑下してた。
彼女と出会えて、俺の中の欠片はいくつか入れ替わった。
彼女を知って、俺の中の欠片はいくつも確かなものになった。
人間に憧れて、人間に裏切られて、人間が面白くて、人間はつまらなくて。やっぱり人間が好きだなって改めて思えた。血も貰えない人間と共に居たいと望む吸血鬼なんて向こうじゃ笑いものだ。
葛「責任、とってくれよ？」
何やら寝言を言ってる彼女の髪を掬い頬を撫でた。シラャリと揺れる黒髪と内側に潜む白髪が枕に広がってる。頬は相変わらず白く透けるように輝く。艶やかなまつ毛に、苺色の唇。
早く声が聞きたい。その目に俺を移したい。でもこうして俺だけが彼女を眺められてるっていう朝も悪くないかもしれない。
「はっ、……あーそうか、葛葉ん家…寝てるし……まあそうか、遅くまで実況してたんだよな。……おつかれさま。あとおはよう」
反射で目を閉じた俺の髪を撫でて部屋を出ていくA。広くなったベッドにゴロンと寝転がる。
目を閉じてる間に10分が経過して、そろそろ起きなきゃと思いつつまだ体は脱力していた。すると卵とバターのいい匂いが香ってきて、フレンチトーストかなって予想を立ててみる。
躊躇いがちにノックの音が聞こえて、「葛葉さーん」って声をかけられた。
葛「……起こして」
「子供か」
それでも手を差し伸べるAは本当に俺に甘いと思う。そんで俺もこいつに甘い。引っ張られた勢いで顔を近づけ彼女の唇を舐める。
葛「…あっま。冷蔵庫のいちごミルク飲んだ？」
「……なまえ書いてなかったもんで」
葛「自分家の冷蔵庫に書かないだろ普通」
「許して！朝食作ったから！」
葛「美味い？」
「うま、いかな……たぶん、そこそこ…ふつうに？」
葛「そこは自信持てよw 顔洗ってくるわ」
「はいよ」
丁寧にベッドメイクしている首に小さくキスを落として部屋を出る。
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ななき。(プロフ) - みりんさん» コメントありがとうございます！大人の方にも響く作品を作れたのかと思うと嬉しくなります！またお会いできるようにVTuberの作品頑張りますね！のんびりお待ちください…！ (2022年1月17日 16時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - ミウラさん» コメントありがとうございます！返信遅くなりました…汗 意味わかんないくらい好きって初めて言われた気がします笑 VTuberの作品また書こうと思ってるのでのんびり待っててください！ (2022年1月17日 16時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - とこまるさん» コメントありがとうございました！すっかり遅くなっちゃってすみません！近々VTuberメインのお話書く予定です！葛葉さんメインもまた書けたらいいなと思ってるので気長にお待ちください！ (2022年1月17日 16時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
みりん - ヤバい、なんか知らんけど泣けてきた。ちなみに今34です。( ；∀；) (2022年1月17日 14時) (レス) @page34 id: cab5b300e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 意味わかんないくらい好きです (2021年11月6日 22時) (レス) @page50 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年8月3日 21時
