三十六《kuzuha side》 ページ36
▪▪▪
葛「……ってのが続いて3ヶ月が経ちましたぁー」
叶「僕への報告遅くない？」
葛「いやそれは別にいいだろ」
叶「お互いがそれを恋だと認知する前から僕は両片思いをくっつけるためのフォローをしてきましたけど？」
葛「早口過ぎてわからん」
叶「……はぁ…、とにかく僕に感謝してほしいね。付き合ったのはともかく自覚できたのは僕のアシストあってこそだよ」
葛「あー、はいはい。感謝。で、どうしたらいい？」
適当な礼でも一応満足したのか考え始める叶。
叶「甘い雰囲気になったりとかは？」
「ない」
叶「外に出かけて手を繋いだりは」
「むり」
叶「ソファーでじゃれあってキスとかは」
葛「パソコン前で煽りあって肩を叩いたくらいなら」
叶「………そうなるか」
葛「おい、呆れるなよ」
叶「いや、逆に、葛葉はそういうことしたいと思うの？」
「手ぇ繋いだりとか、キスとか？」
叶「うん。友達と恋人の明確な境界線を引く上でそこ結構マストじゃん。どう？」
葛「……したいとかは、よく分からないけど、できるとは思う」
叶「こりゃ難問だ」
しばらく『これはできる？』『こっちはどう？』と診断が始まって、俺はそれに答えながら叶の焼いてくれた肉を食う。
ライバーの中で恋愛相談ができるのってこいつくらいなもんだと思う。ほんと助かる。今度なんかお願いでも聞いてあげよう。
叶「Aちゃんからアプローチがないってことは葛葉とおんなじなんかな。いやでも隠すとなると上手くやりそうだしなぁ」
葛「そもそも論、『たぶん好き』だったんだよな。今と前とでの違いって一緒にいる時間が増えただけだし、それで満足してる風だし、あいつも思ってないんかも」
叶「そう見せてるとしたら？感じさせないようにしてるとしたら？」
葛「わっかんねー」
叶「だよね〜……」
会議は進まないままお腹が膨れてきた。「そろそろ帰ろうか」と叶が言って外に出ると会社帰りのサラリーマンやOLたちが疲れた顔で飲み屋に入っていく。
かつてAもこの中の一員だったんだが、にじさんじ加入きっかけでやめたんだっけ。前に社畜とかブラックだったとか言って社築と渡り合えるくらいに盛り上がってた。
今のあの容姿からしてスーツ着てる姿なんて想像つかないけど、でも社交性があって効率よく仕事できる感じはぽいなとも思う。まだ俺の知らないAがある。
三十七《kuzuha side》→←三十五《kuzuha side》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななき。(プロフ) - みりんさん» コメントありがとうございます！大人の方にも響く作品を作れたのかと思うと嬉しくなります！またお会いできるようにVTuberの作品頑張りますね！のんびりお待ちください…！ (2022年1月17日 16時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - ミウラさん» コメントありがとうございます！返信遅くなりました…汗 意味わかんないくらい好きって初めて言われた気がします笑 VTuberの作品また書こうと思ってるのでのんびり待っててください！ (2022年1月17日 16時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - とこまるさん» コメントありがとうございました！すっかり遅くなっちゃってすみません！近々VTuberメインのお話書く予定です！葛葉さんメインもまた書けたらいいなと思ってるので気長にお待ちください！ (2022年1月17日 16時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
みりん - ヤバい、なんか知らんけど泣けてきた。ちなみに今34です。( ；∀；) (2022年1月17日 14時) (レス) @page34 id: cab5b300e5 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 意味わかんないくらい好きです (2021年11月6日 22時) (レス) @page50 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななき。 | 作成日時：2021年8月3日 21時
