陸拾─イングリッシュマフィン ページ12
▪▪▪
ソファーに座りブランケットを肩までかけてニュースを見ていると、サテン系パジャマ姿のまふさんが目を擦りながら入ってきた。髪が爆発してる。
ま「A…」
「おはようございます」
ま「おはようございます…。もしかしてソファーで寝てた？」
「まあ」
ま「ごめん、昨晩の記憶ない…」
「終わったっつってリビングに来たと思ったら急に寝て、絶対体痛めると思ったからベッドに運んだ」
ま「運んでくれたんだ。その辺転がしといても良かったのに」
「昼夜バカになってるんだからせめて質のいい睡眠はとった方がいい。君過眠症でしょ。さすがに分かる」
ま「バレてたかぁ…」
「朝食の食材買いに行ってくるからまだ寝てて」
ま「朝ごはん作ってくれるの？」
「うん。イングリッシュマフィン。白身魚があるといいんだけど、なければサーモンかエビか、サバサンドでもいいよ。何が食べたい？」
ま「んー…、どこ行くの？」
「海市」
ま「かいしって、蜃気楼のこと？」
「さすが。うみいちって書いてかいし。みんな"うみいち"って呼んでるけどね」
ま「朝市場だよね、僕も言っていい？」
「……寝とけば？」
ま「やだいく」
「やだって……じゃあせめてシャワー浴びてきな」
ま「わかった！その間に行かないでね！」
子供みたいだ。コーヒーを入れ直してニュースの続きを見ていると、しばらくして黒い服にコートを身にまとったまふさんがまた入ってくる。
ま「おまたせ！…え、だめ？」
「似合ってるけど、おじいちゃんおばあちゃんの中でだいぶ目立つよ？」
ま「あ、そっか。そうだよね。まってて、すぐ着替える」
変なとこ抜けてるよな。再び入ってきたのは、クリーム色のセーターにスキニーのズボンを着たまふさんだった。「どう？どう？」とやじろべえのように揺れてる。自分は「マフラー」と言ってから玄関に向かった。
ま「わぁ〜、賑わってるね」
「そうね」
ま「わくわくするね！」
「はしゃぎすぎて迷子になんないようにね」
ま「何言ってんの、子供じゃないんだから」
「どうだかね」
物珍しそうに物色してる横で何かいいものがないかと探す。買い付けはヤコウの仕事だったからたまについて行くくらいしかなかった。
キョロキョロしながら袖を掴んで引っ張ってもらってたけどこの、人でごったがえす場所を今日はひとりでかき分けて歩かないと。
ま「A」
「え、な、なに？」
ま「君の方が迷子になってたよ」
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ななき。(プロフ) - ゆうさん» 私の作品で笑って泣いていただけているのかと思うと私もぐっときます！コメント感想ありがとうございます！ (2021年12月28日 22時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - めっちゃ面白いです。本当に泣きました。完結おめでとうございます。 (2021年12月27日 21時) (レス) @page21 id: ff8e58fd81 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - ロツイナさん» 最後までご覧くださりありがとうございます！大好きだって言ってもらえて終わりを惜しんでもらえるなんてとても嬉しいです！他の作品も良かったら楽しんでってくださいませ！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ロツイナ - 完結おめでとうございます！ずっと大好きな作品です、終わってしまうのはちょっと切ないですが、最後までこの作品を読んでいて楽しかったです！ありがとうございました! (2021年9月17日 18時) (レス) id: 05ff15d5eb (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - かんずめさん» かんずめさん、コメントありがとうございます！いつもほんとに励みになっています！満足していただけて光栄です。これからもそう思って貰えるようにがんばりますね！次回作も良ければみてやってくださいませ！ (2021年9月16日 22時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年8月21日 22時
