よんじゅうご ページ46
「………え、なに？」
鹿「『やりたいことがあるんなら、空気も、見えない糸も、周りの目も、世間の言葉も、たまには無視していい。すきなことをしてるあんたが私は一番綺麗だと思うから』」
「………かっけぇな」
鹿「ばか、あんたが私に言った言葉よ」
「………私そんなこと言った？」
鹿「言ったよ。それで私は救われたの。救われたんだよ…」
普段の余裕そうな鹿野からは想像できないほど懇願するような、弱くなった言葉。怖くて不安で苦しそうなのに強がってるような、初めて会ったあの時と似てる。
「あー、……わかった。行ってくるよ。ダメだったらなんか奢ってね」
兎「出世払いでお願いします♪」
鹿「ここ奢ってあげるから今すぐ走りな」
「えっ、いまから…？！でも仕事……」
鹿「オーバーヒートしたって言っておくから」
兎「有給の使い時ですよ、せーんぱい♪」
「えぇ〜……？」
鹿・兎「「いってらっしゃい」」
ふたりの声が重なって私の背中を押す。笑って送り出してくれる人がふたりもいる。
「もうすでに幸せだよ……」
兎「更なる幸せをつかんできてください♪」
鹿「がんばってね」
「おう！」
私は店を飛び出した。
虎「うわぁっ！……あ、Aさん？どうしたんですか？そんなに慌てて」
犬「なんかあったか…？」
「……犬又、虎……ちょっとハグしていいか？」
虎「えっ…、大歓迎です！」
犬「ここで…？………あーもうどうぞ！」
私は少し背伸びしてふたりに抱きつく。
「………よし、元気もらえた。いってきます！」
虎「いってらっしゃい！……って、どこへ？」
犬「助けは、いいのか？」
「うん。成功したらなんか奢ってね！」
犬「は…？」
笑ってみせると、犬又も笑ってくれる。
犬「………おう、逃げたくなったら」
「逃げろ？」
犬「何がなんでも向き合って後悔を残すな、主人公」
…ったく、いい笑顔しやがる。
「ははっ、今度はそうする。もう逃げないよ」
ふたりに背を向けて、息が上がるのも構わず、髪が乱れるのも構わず走る。こんなに全力疾走したのはいつぶりだろう。上手く息が吸えない。
上下する胸を何とか落ち着かせようと、エレベーターに乗り込んだ。
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ななき。(プロフ) - しおさん» おおぉ！しおさんコメントありがとうございます！楽しんでもらえて光栄です！六辻さんも応援ありがとうーー！！って言ってると思います笑 (2020年7月5日 17時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - あぁ、あぁ健気でいい子な夢主がんばれーーー！！！！！！ 作者さんも執筆お疲れ様です、いつも楽しく読ませてもらっています…！！！！！これからも応援してますっ (2020年7月4日 20時) (レス) id: 47ac21f61f (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - Noel*26さん» コメントありがとうございます！じゃんじゃんしてってください！誰か分かってくれればいいなって思ってたんで伝わってめちゃくちゃうれしいです笑好きなんですよ俺ガイル笑がんばりますーーー (2020年6月30日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - 連コメすみません、ほんとにすみません。玉縄ツボりました。俺ガイルですよね。それだけ言いたかったんです。更新お疲れ様です、頑張って下さいーーー (2020年6月30日 10時) (レス) id: 2cec6f84ed (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - Noel*26さん» コメントまたまたありがとうございます！私も書いてて肉巻き食べたくなってました。恐るべし抗えぬ食欲です笑ありがとうございます！これからも楽しんでもらえるように頑張りますね！ (2020年6月23日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2020年6月14日 13時
