拾陸 ページ17
▪▪▪
藍「おーい、紺〜」
「あ、えっと、藍樹…だっけ?」
二限が終わると後ろの人から肩を叩かれた。それは先月会った藍樹で、萌え袖のパーカーをヒラヒラさせていた。
藍「そうそう。1ヶ月以上同じ教室にいるのに全く気づかなかったね」
「え、いたの?」
藍「段々と近ずいてってたんだけど?後ろの席で気づかないのヤバすぎ」
「ぜんぜんわかんなかった……」
藍「鈍感っぽいもんねー。というかまたひとり?友達いないの?」
「いないよばか」
藍「急な暴言…w じゃあ昼もひとりだよね、ちょっと食堂で食べない?」
「え、」
藍「ここのパフェ、インスタのストーリーで上げてて美味しそうだったんだよねー」
「昼にパフェ……」
藍「どう?」
「………まあ、いいけど」
藍「よし決まりー」
自由人だなぁ。
「……で、マジでパフェ頼むんだ」
藍「そっちはカツカレー?高カロリぃー」
「食べても太らない体質だから」
藍「うっわ女子の敵」
「男の藍樹が女子語るなよ」
藍「え?僕は女だよ?」
「…は?」
藍「嘘だけどね」
「びっくりした……」
藍「紺って面白いよね。漫才師なれば?向いてるよ」
「冗談はよして」
にゃはは〜と効果音がつきそうな笑いをして、柄の長いスプーンで大きなパフェを食べる藍樹。
こういう類の男子をなんて言うんだっけ、うさぎ系?たぬき系?のらりくらりしてる感じだからぬらりひょん系?
藍「紺ってさ、男目指してる系のひと?」
「え、違うけど」
藍「あ、そうなんだ、ふーん」
「なになに、怖いんだけど」
藍「いや格好がさ、メンズ寄りだから。別に高校にもいたし偏見はないけど」
「あぁ、私兄がいるから子供の頃からお下がりばっかり着てて、その流れで。単に楽ってのもあるけど」
藍「スタイルいいのにもったいない」
「それ藍樹が言う?正直よくわかんないってのが本音だけど」
藍「まじか、じゃあ買いいく?」
「え、いく?」
藍「え、いこうよ。この後講義は?」
「えっと……、あ、三限受けて終わり」
藍「じゃあー、図書館前で待ち合わせでいい?」
「わかった」
うわ、決まっちゃったよ。大学に入って初めての遊び。同級生と遊ぶとかいつぶりだろう。てか行ったことあったっけ。なんか心がふわふわする。
84人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
甘蜜 蜜華(プロフ) - あ、あぁぁぁぁ!!!好き。ななき。さんの作品好きです。もう全部好きです。 (2021年1月24日 9時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - しおさん» ありがとうございます!返信遅くなり申し訳ない…!少しですが楽しんでくだされば嬉しいです!今回もよろしくお願いしますね! (2021年1月23日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 新作…それも、それも、ド派手で愉快な3人組が…!!!!!!!!今作の世界観を構成する要素として彼らが選ばれたことが本当に嬉しいです、楽しみにしてます〜!! (2021年1月16日 0時) (レス) id: 33c3a138b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ななき。 | 作成日時:2021年1月15日 14時