ひゃくご《soraru side》 ページ10
様々な憶測が飛び交い、『裏切った』と避難する声もあった。
しかしそれはほんの少数で、ミケミヤリスナーやファンのほとんどが感謝を綴り、『僕も、私も、俺も愛してる』と、そして『いってらっしゃい』を送った。そのリスナーの姿に他担や歌い手たちすら涙を零したほどだ。
この3年間、ミケミヤと文字にする言葉はほとんど無くなった。
もちろん待ちきれなくなって去ったリスナーやファンはいる。だけどミケの誕生日には必ず『おめでとう』とコメントは送られているようだし、ミケが投稿した曲は再生回数を伸ばし続けている。
そ「Aは俺に最後『バイバイ』って言ったんだよ。バイバイってことは、そういうことだろ？」
ま「…ミーちゃんは望んで向こうに行ったわけじゃない。無理やり納得して笑って大丈夫にしたんだよ」
そ「だとしてもあれがあいつの選択なら尊重すべきだ」
ま「……っと、もう、めんどくさいなぁ…！ つべこべ言わずにそらるさんがどうしたいかで考えろよ！」
俺に向かって叫ぶまふまふは珍しい。思わず唖然としてると坂田が目線を合わせた。
坂「そらるさん、ミケミーは今、動きたくても動けんのかもしれん。会いたくても会いに行けんのかもしれん。助けてって言いたくても言えんのはもう昔っからです。
あいつはなんでも受け入れるけど、こっちから行かんとなんもぶつけてきませんよ？」
そ「………そうだな」
坂「色々とっぱらって、オレは友達として迎えに行きたいと思ってる。そらるさんは違う？」
優しい坂田の声。上目遣いの甘えたような表情。俺は思わずポンポンと頭を撫でる。
う「そらるさんさぁ、お兄ちゃんなんだろ？それがあんたの役割だったろ？今さら捨てていいのかよ。
俺たちだってあいつの友達なんですよ。あいつを救いたいし、頼ってほしい。だけど本当の意味で救えるのはそらるさんだけだから」
そ「……」
う「ビビってんじゃねぇですよ」
そっか、俺、ビビってるのか。
初めて拒否されるかもしれないって、今会ってどんな顔をされるだろうって。
ま「また、僕に追いかけさせるつもりですか？」
そ「……！ ………いや、お兄ちゃんらしく、英雄らしく、迎えに行ってくる」
また3人の声が揃う。
『いってらっしゃい』って、結構勇気出るもんだな。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年4月27日 11時) (
レス) @page16 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - LiLiKaさん» コメントありがとうございます！またお会い出来ましたね！重くなりがちなんですがそう言ってもらえてうれしいです…！ (2020年12月22日 20時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
LiLiKa(プロフ) - 本当に主さんの書くお話はすごく感動します…号泣ものですね。大好きです (2020年12月21日 13時) (レス) id: ef0b88e85e (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 透さん» コメントありがとうございます！なんて嬉しい言葉！ラストスパートです。最後までよろしくお願いします！ (2020年11月20日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
透 - とても素敵なお話です！つい続きが気になって、確認してしまいます。言葉選びのセンス光りすぎです！密かにですが、応援させて頂きますね！楽しみにしています！ななき。さんのペースで楽しさを分けて下さい！この素敵な世界の続きを密かな楽しみに待ってます！ (2020年11月19日 20時) (レス) id: 4afabdb3de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2020年11月18日 16時
