はちじゅうなな ページ40
坂「………タバコ」
「ん、あ、知らなかったっけ？」
坂「ミケミー、タバコって50種類以上の発がん性物質が含まれてたり、脳卒中、虚血性心疾患、呼吸器疾患とかたっくさん危険にさらしてるんやで」
「……詳しいね。さすがプロ」
坂「冗談じゃなくて」
真っ直ぐな目。太陽が反射してキラキラしてる。
坂「元看護師として、友達として、協力するからタバコはやめよう？」
「………そんな目されたら思わず言うこと聞いちゃうよねー」
坂「ならやめてくれる？」
「ごめん、今日一日だけ我慢して？」
坂「え」
「テッテレー」
坂「………ドッキリ？」
「せーかい」
坂「なんやねん！もう！真剣に心配したんに！」
「いやぁ、あのドッキリに引っ掛からない男を引っ掛けてやりましたよ」
坂「オレもしかして一番？」
「うん。別室で……あ、いやここにいてよ。一緒に引っ掛けよう」
坂「え、めちゃくちゃ楽しそうやん！」
「あー、それは分かる。なんでなんだろうね」
坂「丸から三角ってね。四角でもええやんってなる」
「海外ならあるかもよ。ほらケーキも向こうは四角いの多いし……っと、うらさん、お疲れさまです」
坂「おつかれー」
う「………おつかれ。なにしてんのこんな所で」
坂「ピザがなんで丸いのか考えてた」
う「……ふーん。あっそう」
興味無さそうに振舞っているが、明らかに手元のタバコを凝視している。それからしばらく3人で話す。これは何も言ってこないパターンか？
「そろそろ行こうか」
坂「やね〜」
う「…ぁ、…ミケ」
「ん？」
う「なんか悩んでるなら相談しろよ。いつでも聞くから。駆けつけるし…」
「………いい人か！」
う「本気で心配してんだよ。俺だってお前に長生きしてほしーの」
「ありがとう、うらさん。日光を浴びないことと、食事が片寄ってることと、睡眠が不規則なことを除けば健康体だから安心して」
う「全部健康になるためには必要な要素なんだよな……。あーもう！俺の飴あげるからこんなのやめなさい！」
「んー、あとふたりほど待ってください」
う「ふたり……ふたり？タバコの数え方って人みたいだな」
「天然だなぁ…w」
坂「うらさんうらさん、テッテレー」
う「ま、まさかお前、……やるようになったじゃねぇか」
「あは、いやぁ、ちゃんと引っ掛ってくれてうれしいです」
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作者名：ななき。 | 作成日時：2020年11月2日 15時
