はちじゅうよん ページ37
ま「………そらるさんも？」
「え、まふくんまでそんなこと言い出したかぁ」
ま「ご、ごめん」
「いや謝らないでw」
「私にとって…」と一度きり、深呼吸をしてまふくんを見る。
「そらるさんは憧れだよ。大先輩だしね。そらにぃは……
親しいけれど恋人じゃなくて、お兄さんだけどきょうだいではなくて、ランプであり地図であり方位磁針であり、だけど私の物語の主人公な訳じゃない。なんと言うか………そう、英雄って感じ」
ま「英雄……」
「これ、そらるさんにはしぃーね？ なんとも思ってない人間にこんなこと重いだけだろうし、特別とかそう言うの嫌いみたいだから」
ま「ごめん…」
「え？」
ま「ごめん！！これ以上はおれの良心が痛む！！」
「え、それどう言う……」
そ「よ〜」
「そっ……はぁ？！」
う「苦情は坂田まで」
坂「ちょ、オレを売るなようらさん！一緒に考えたやろ！」
「………えーっと、どういうことか聞かせてもらっていいかな、さかたん」
坂「うっ…、えっと、ミケミーってかわいいし美人やのに恋してる素振りとか全く見たことないから、好きな人おるんかなーって話になって、色々考えた結果そらるさんじゃね？ってなって、モニタリングしようって話になった……感じです、はい」
「なるほど、つまりは？」
そ「どっきり、だいせーこー」
ピースをチョキチョキするそらるさん。
「あの、今すぐ向こう15分の会話を忘れていただくことって可能ですか…」
そ「無理だねぇ。ばっちり覚えてるし、なんなら永久保存版だよ」
「さいっあく！こうなりゃあの手この手で記憶を抹消させてやる…！」
そ「どうする気ぃ？空手黒帯の俺に勝てるとでも？」
「酒でも催眠でもなんでも使いますよ。スピリタスとスピリチュアルどっちがいいですか」
そ「俺的にはスピーカーでリピート再生したいなぁぁぁ」
「ぜんぜん上手いこと言えてないから！もう…！もう…っ！！」
ま「ちなみに僕の好きな人は、付き合えば犯罪になりかねない上に僕なんかのせいで穢れてしまわないかと不安なのでそっと影から応援することにします」
坂「そもそも次元落とさないといけへんもんなぁ。報われない恋よ」
う「坂田しっ！それ言ったら可哀想でしょ！」
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作者名：ななき。 | 作成日時：2020年11月2日 15時
