玖拾弐 ページ44
▪▪▪
「ありがとうございました。………うぉっ、なっちゃん？」
収録を終えて外に出ると、そこには帰ったはずの夏樹が足を組んで座っていた。さっき終えたばかりの台本をパラパラとめくりながら顔をこちらに向けない。
「な、なにしてんの？」
夏「お前が終わるの待ってた」
いつものほわほわ笑顔じゃない。声だって淡々としてる。なんか怒ってる…？
「えっ〜と……」
夏「飯でも行く？」
疑問形。話を聞いてくれようとしてるのか。
「………割り勘なら」
夏「りょーかい」
口数少なくお店に向かう。注文をしようとしたところで夏樹は私のメニュー取った。
夏「はい、今日は酒禁止」
「え"ぇ〜！」
夏「『え〜』じゃない。クマやばいし、絶対寝てないでしょ」
「役作りだよ」
夏「だけじゃないよね？」
「……かなわないねぇ、親友」
夏「そりゃあ親友ですから」
少しの沈黙の末、お冷に口をつけた。濡れた唇を舌先で舐めると息を吐くのと同時に言葉を漏らした。
「少し、長くなるよ」
夏「じゃあ先に注文するか」
テーブルに並ぶ料理を食べながら、志麻さんと別れたこと、うらくんにプレゼントを渡せたこと、そしてこのアニメの座長としての不安を語る。
夏「別れちゃったんだ」
「これ以上付き合わせる訳にはいかないからね。もう…遅いかもしれないけど…」
夏「勇気出したんだね」
「ずっとカバンの中に入っていたからね。ずいぶんと軽くなったよ」
夏「どうせまたエゴだって思ってるんでしょ」
夏樹は変わらないトーンで言う。やばいなぁ、だいぶ感傷的になってるせいでこんなことでも胸が痛む。
「私は結局、自分が一番かわいいんだろうね」
ずっと反抗期だ。押し付けて、理想になってもらって、迷惑かけて。それでもやりたいことは曲げないんだから、自己中心的な馬鹿な女。
夏「いいじゃん、エゴでも。Aが幸せになるためなんだから」
「可哀想な自分かわいいって、そんな私だから仕方ないよねって、みんなにわがまま言って、そんな汚いものからできた幸せなんて本当の幸せって言える…？ これが、人を傷つけてまで私がやりたかったことなのかな……」
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ななき。(プロフ) - るるるさん» そういう事でしたか！いえいえ、ご指摘助かるんでうれしかったですよ。他の作品もよろしくお願いします！ (2021年6月5日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - ると同一人物なんですけど、、、なんかこちらの端末のバグだったみたいで他の端末でみてみたら普通になってましたほんとに申し訳ない。。。 (2021年6月4日 23時) (レス) id: c7e16937c6 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - るさん» うぉっつ…ご指摘ありがとうございます…。どの話か教えて下さると大変助かりやす…。 (2021年6月4日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
る - 主ちゃんの名前Ａになってますよ(ﾎﾞｿｯ) (2021年6月4日 17時) (レス) id: 69a285c503 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます！応援を糧に精一杯最後まで頑張らせていただきますね！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年3月5日 13時
