漆 ページ8
「え、何、デレ？滅多に見れないうらくんのデレ？やば可愛い。たった3文字でこの破壊力パないってまじで」
う「お前もう向こう3時間くらい黙ってろよ……」
「3時間くらいのところに愛を感じるねぇー。うらくんかわいかぁ。超かわいかねぇ」
う「今度は何弁だよ……」
「………っと、電話。出てくるね」
う「ここでいいよ。どうせヘッドホンしてるし」
そう言いながらまたパソコンに向かいヘッドホンを付け直すうらくん。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
表示を見るとよく飲むほぼ同期からだった。こんな時間に電話するようなタイプじゃないのに。どっちかと言うと一週間前から予約取って根回しする優秀小悪魔くん。イタズラか？
「………もしもーし、壮馬っちどうした？え、飲み？今から？ちなみにどこ？……お台場？うわ面倒くさ。……え、まじ？拓也さん来てるんだったら行こうかな。面食いって言うなよたしかにかっこいいけど。りょーかい。じゃあーー、15分後くらいに行くわ。おう、まっとれ」
やはり表示の通り、相手は歳の近い声優仲間からの飲みの誘いだった。
電話を切り背を向けるうらくんの背後に寄る。キーボードをカタカタと叩く姿が真剣だったので、驚かすのは諦めておく。
「そろそろ帰りますね」
う「え、あ、おう。おつかれ」
「お疲れさま、無理しすぎないようにですよー」
そこで分かれるつもりだったのにわざわざ後ろから着いてくる。作業してるのに玄関までお見送りに来てくれるところがなんともうらくんらしい。
う「ありがとな」
「いえいえ、また誘ってください」
エレベーターに乗り、下がっていくライトを見つめながら壁に寄りかかる。
「はぁぁぁぁああああぁぁ〜ーーー………」
身体から一気に力が抜けた。
「密室にふたりっきりはまずいって…。しかもベッドの上とか……あの人危機感ないんちゃうん……そのうち押し倒されても知らんでほんま……」
下手な関西弁のまま声に出すことで溜まった熱を追い出す。うるさい心臓を撫で下ろし深呼吸する。顔は赤くないだろうか。飲みに行く前に顔を洗っていこう。そうしよう。
私はなんという難攻不落な恋をしてしまったとつくづく思う。ほんと、鈍感も大概にしてほしいぜ。
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ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» コメントありがとうございます！こちらこそです照 今回のお話もなかなかに回りくどいのでたんまり悶えちゃってください笑 よろしくお願いします！！ (2021年2月21日 19時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - 新作おめでとうございます！！素敵な作品をいつもありがとうございます！ななき。さんの描くストーリーがもう、悶えるくらい好きです！！更新頑張ってください！ (2021年2月19日 22時) (レス) id: 95d0968963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年2月19日 22時
