肆拾捌《sima side》 ページ49
志「えらい美人さんがいると思ったら、何してんの」
「志麻さんこそ、ラジオは別々の場所で撮ってるって聞きましたけど」
志「今日はたまたま。うらたさんの様子を確認しに」
「…うらくん、そっちでも様子変ですか」
志「『そっちでも』ってことは、そっちでも？」
「はい。よくぼんやりしてたり、妙に優しかったり、温かい視線を向けたり………他にもサインはありました。まあこれといって危険な感じはしませんでしたけどね」
志「探偵みたいだなぁ」
「昔やったことがあるんですよ〜」
志「探偵を？」
「はい。依頼を受け、お悩みを聞き、調査し解決する。その名も学園探偵団！……ってねw まあ名前だけですけど。実質はただの奉仕部。もっと言えば雑用係ですよ」
志「女子校やったんでしょ？ みんなに慕われてた？」
「……どっちかと言うと、甘やかされてましたね」
下を向きながら足の先とかかとでブランコを揺らすAちゃんはどこか憂いげで、悩ましい表情をしていた。珍しい、彼女がここまで顔に出すなんて。
志「で？ Aちゃんはなんでここに？まさかほんとにチョコレートで酔いに来たわけじゃないよね？」
「監督に……あ、今日うらくんと撮ったんですけど、その時の監督と飲みに行ってて。…で、『そろそろ少年はやめて、女性になったら？』って言われたんすよ」
志「んー？十分素敵なレディに見えるけど」
「でしょ？ それで意味わかんなくて、うらくんなら分かるかなーって思ったんだけど、それ聞くのってなんかめちゃくちゃかっこ悪いなぁーって思ってこうしてひとりで月見です」
志「ははっ、ここまで来たなら連絡すりゃあ良かったのにw」
「友達にダサい姿は見られたくないもん」
志「変なとこカッコつけるなぁw」
Aちゃんはグビっとホットチョコレートを飲む。
「あっまぁ……志麻さん、残りこれあげる」
志「なんで買ったんだよw」
この人はなんでも様になる。うらたさんの前に座って肘をついて笑ってた時も、なんかあったんじゃないかって走って店に入った時も、坂田を見つめて笑った時も、ふとした仕草ひとつひとつが絵になる。
普段はわざとそう見せないようにしてるけど。
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ななき。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» コメントありがとうございます！こちらこそです照 今回のお話もなかなかに回りくどいのでたんまり悶えちゃってください笑 よろしくお願いします！！ (2021年2月21日 19時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - 新作おめでとうございます！！素敵な作品をいつもありがとうございます！ななき。さんの描くストーリーがもう、悶えるくらい好きです！！更新頑張ってください！ (2021年2月19日 22時) (レス) id: 95d0968963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2021年2月19日 22時
