三月のクローバーコレクト 3【声優】【学園モノ】

そんなはずない《Ryouhei side》 ページ42

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《Ryouhei side》



「おやすみ」と手を振るAが家に入ったのを見送ると、俺も静かに家に帰る。




良母「あら、おかえり。遅かったね」

良「ちょっと寄り道してた」

良母「そう。晩御飯はどうする？」

良「食べてきたから」

良母「そっか」




優しい母。一人っ子の俺に愛情を注いでくれたとても優しい母さん。厳しい父。寡黙で仕事カタギな人だけど、昔っから父の背中はかっこよかった。

そんな元で、なんで俺みたいなやつが生まれたのか……なんてたまに考えたりする。




良父「良平、なんだって？」

良母「食べてきたって」

良父「そうか」

良母「久しぶりに見ると大きくなってて驚いたわ。子供の成長ってあっという間ねぇ」

良父「この間生まれたと思ったらすぐ小学校に行って、中学生なって、そしたらもう高校卒業か……早いもんだな」

良母「昔は親を泣かせることも多い子だったけど、親孝行をしっかりしてくれるいい子になったわよね」

良父「そうだな。………今日、晶さんに頭を下げられたよ。『ゆいの話し相手になってくれてありがとう』って。あいつがゆいさんのところに言ってたなんて知らなかった」

良母「……私も、ゆいさんに『良平ちゃんは本当にいい子ね』って言われたわ。ゆいさんすごくお綺麗だけどこの間会った時より痩せてた。
……まだAちゃん高校生なのに大丈夫なのかしら……。裕貴ちゃんと良平が支えてくれたら……───」




リビングの会話を横目に自分の部屋に上がる。




良「そんなの、大丈夫なわけねぇだろ……ッ…」

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