クリスマスイブ ページ24
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誰かがタンバリンを叩いて、誰かがマラカスを振る。世はクリスマスイブ。そしてここは、カラオケブース。
男1「ねぇ、花月ちゃん歌わないの?」
「歌わない」
男1「なんで?あ、実は歌下手とか?美人なのに意外だな」
(何が意外なんだよ……)
「そうそう。だから君は歌ってきなよ」
男1「ってかさ、花月ちゃんって付き合ってるやつとかいるの?」
「………いないけど」
男1「え、意外。美人なのにもったいないね。あのイツメンらへんと付き合ってんのかと思ったよ」
「あいつらは友達」
男1「じゃあ先輩とか?たしか軽音部と仲良いよね。ケン先輩だっけ?文化祭のライブで肩組んでたし。それとも後輩?この間『保健室の王子さま』と一緒に帰ってたの見たよ〜」
「そんなんじゃないよ。頼りになる先輩と、大切な後輩」
男1「へー、じゃあ本当にフリーなんだ」
「最初からそう言ってるじゃん」
(嫌なオーラ出してんのになんで気づかないんだ。陽キャこわ……)
男1「じゃあさ、この後抜け出さない?」
「……誰と?」
男1「俺と。花月ちゃんカラオケあんまり好きじゃないでしょ?」
「確かに得意ではないけど……」
男1「やっぱりねー。ほら、静かなとこ行こうよ」
「いや、そういうのは……」
「あ、一緒に出るのもしかしてはずい?それなら先に出とくから5分後くらいに来てよ。…じゃ、また後で」
私が断るのも聞かず外に出ていったクラスメイトの男子くん。仕方なくカラオケブースを出る。
江「あれ、Aもドリンク?……ではなさそうだな。カバン持ってるし」
「うん、もう帰ろうかなって」
江「あー、Aカラオケとか好きじゃないんだっけか?」
「それもあるけど、スミダのやつに『抜けよう』って言われて」
江「スミダ?……あぁ、あいつか。なに、行くの?」
「断るのも聞かずに出てっちゃったんだよ。とりあえず一言言ってから帰るよ」
江「そういう時はおれ呼べよ」
「呼べって……いなかったじゃん」
江「あ、そうかw」
「笑ってんじゃねえよ」
てぃっとパンチをすると、拓也は手元のグラスの中身を飲み干した。
江「ちょっと待ってろ。荷物取ってくっから。そしたらいっしょ帰んべ」
「え、拓也はまだいるつもりだったんじゃ……」
江「おれもそろそろバイト行かなきゃだし。ついでだ、ついで」
「……そう?」
江「そーそー」
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ななき。(プロフ) - ゆゆさん» すみませんみおとしてましたぁ!!コメントありがとうございます!亀更新になるとは思いますが、気長に待ってくれると嬉しいです!よろしくお願いします! (2020年11月15日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 昨日知り、全部読まさせて頂きました!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年5月25日 14時) (レス) id: 2487ef8f40 (このIDを非表示/違反報告)
ななき。(プロフ) - 春さん» ありがとうございます!長くなるとは思いますがよろしくお願いします!がんばりますね! (2019年12月30日 17時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続編おめでとうございます!これからも楽しみにしてます!! (2019年12月27日 15時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年12月27日 9時