三月のクローバーコレクト 3【声優】【学園モノ】

正反対のふたり ページ31

「ただいまー」

母「おかえり〜、外寒かったでしょ。ココア入れてるから一緒に飲みましょ？」

「母さん、起き上がっちゃダメでしょ。ほらブランケットももっとしっかりかけて」

母「あらあら、Aちゃんお母さんみたいね〜」

「………そんなんじゃないよ」




リビングに入ると、父がコーヒー片手に新聞を読んでいる。




母「ほら晶さん、Aちゃん帰ってきましたよ」

父「そうか」

母「おせちの残り食べてしまいましょうか。それともお餅にする？」

父「どちらでもいいよ」

「………大丈夫母さん、私がやるから」

母「母さんこれくらいできるわよぉ」

「いいんだよ。暖かくして座ってて？」

母「はーい」




茶目っ気のある母と、寡黙な父。どうしてこのふたりは結婚したんだろうか。




「母さん」

母「ん？」

「……いや、なんでも」

母「あ、分かった！」

「え、なにが？」

母「お年玉でしょー。もちろん用意してるわよ〜」

「いや、そういうんじゃ…」




止めるのも聞かずルンルンで客間に行く母。




母「はい、どうぞ〜」

「………いらない」

母「何を言ってるのよ〜。女の子なんだから何かと必要でしょ？晶さんに聞いたけど仕送りも使ってないらしいじゃない。これでおしゃれしてかっこいい男の子捕まえなさい！」

「………うん」




断れる雰囲気じゃなかったので渋々受け取ると、母はよしっ！……と満足気に頷いた。




母「それから〜、これとー、これも〜」

「え、まだあるの？」

母「こっちはクリスマスプレゼントで、こっちは誕生日プレゼントよ〜」




綺麗な包装紙に包まれたプレゼントらしきものがふたつずつ、並べられた。




母「去年と、今年の分よ〜」

「……ありがとう……けど、私は……」

母「ほら、あけてみて？あけてみて？」




相変わらずあどけない表情をする母さん。私の母とは思えないほど豊かな顔をする。

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