お前だから ページ13
こうして、お互いの利益のために、私達は一緒にいることを選んだ。
共感できるものが多いから話には困らなかったし、無理に作ったりする必要も、四六時中一緒にいるわけでもなかったからとても心地がよくて。
いつの間にか噂になって、好きに解釈されて、勝手に納得されているけれど別にどうでもよかった。
困ったことと言えば、女子からの呼び出しが一時期は増えたくらいだ。それも江口がサラッと入って当回しに警告を出してくれたおかげで、今ではパタリとやんだ。
嘘で塗り固められた…とまでは言わないが、偽りから始まった関係だ。進むことないし、飽きたらやめればいいと思っていた。
それを、江口拓也は"本物"にしようとしてる。先に進もうとしている。
引き止める理由はない。彼の意思であり、そうすることは本人の自由だから。
でも、彼は、私も一緒に連れていくつもりだ。そっち側に、向こう側に、昔は私もいた方へ。
「………一年前の私なら、面倒だって見送ってたんだろうな」
江「一年前のおれなら、きっとこんなことは言わなかったよ」
「切り捨てて、さっさと他のところに行けばいいのに」
江「お前だから、連れていきたいって思ったんだよ」
「後悔するよ。こんな面倒なだけの女」
江「おれもさんざん面倒かけてきたしなぁ」
「まあ、たしかにねw」
江「………一緒に、行ってくれますかね?」
「………しょうがないなぁ、同じ苦労を分かちあった同士の頼みだからね。着いてってあげるよ」
江「そうか、………そっか」
「じゃ、これからよろしく、江口拓也」
江「………あぁ、よろしくたのむよ、花月 A」
『友達』そう心から言える日が来るだろうか。その時、私は強くなっているだろうか。どれくらい、あの人のことを忘れられているだろうか………。
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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時