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ほんとばか ページ42

歯を見せず笑う梅原の横顔を見つめる。さっぱりした黒髪に、大きくて黒い瞳。白い肌に、少しアヒル口の唇。

彼こそあの頃となにか変わっただろうか。




「………やめとく、君と付き合うとまわりが面倒だからね」

梅「それ実体験?」

「まあね」

梅「………いつまでも待ってますから、俺は」

「ふっ、うそつけ〜w」

梅「ひどいなぁ。俺がここまで言うの珍しいのに」

「自分で言っちゃうあたりがダメなんだよ。……でも、ありがとな、うめ」

梅「いえいえ、……頑張ってくださいね」

「私が頑張ることなんてないよ〜」

梅「……Aさん、相変わらずばかですね」

「はぁ?」

梅「ふふっ…w」

「なに笑ってんだよ……っと」

梅「あっぶね………案外抜けてるとこあるよね、あんた」




棚から落ちた本を、頭に当たる直前でパシっと取る梅原。




梅「そんなに見つめて、もしかして惚れました?」

「……いや、背、高くなったなって」

梅「今気づいたんですか?相変わらず俺に興味ないんですね」

「………これでも、感謝してるんだ」

梅「今度からは気をつけてくださいよ」

「……じゃなくて」

梅「え?」




利用して悪かった。

お前の気持ち考えてなかったかもしれない。

あの時声をかけてくれてありがとう。

また会えて嬉しいよ。




「……………付き合わせて、ごめんな」




頭を撫でると、梅原は一瞬驚いた顔をして、それから眉を下げた。




梅「………ほんとばか。俺がここまでしてんのに惚れないとか。先輩見る目ないんじゃないですか」

「あははっ、お前も大概だろw」




ずっと言えなかった。後悔してた。『ごめんな』って、『わるかったな』って。あの時の私は私のことで手一杯だったから。

甘えてたんだ、優しいお前に。ずっと気づかない、………ふりをして。




梅「今度、ご飯連れてってくださいよ」

「ご飯?いいけどなんでまた……」

梅「先輩だけが変わったなんて思わないでくださいよ。俺にだって友だち出来たんです」

「……お前に?」

梅「えぇ」

「ふはっw ……まかせとけ、美味しいとこ連れてってあげる」

梅「…はい、よろしくお願いします」




また頭を撫でて、それから微笑んだ。あの時の私よりは、素直に笑えただろうか。

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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時

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