笑えてよかった ページ23
増「え、花月って歌うんですか?」
梶「あれ、聞いたことない?Aちゃんは昔っから歌がとにかく上手くて、すごく楽しそうに、伸びやかに歌うんだ。誕生日会には必ずオリジナルの歌をプレゼントしてくれて……」
「もう、………歌は、歌ってないよ」
裕貴くんの言葉をさえぎり言う。少し、思いのほか声が強く出てしまった。
梶「………そっか、すごく上手かったのに、残念だな」
??「ねぇ裕貴、その子が前に言ってた幼なじみ?」
今まで静かにしていた裕貴くんの隣にいた女性が、裕貴くんの袖をくいくいと引っ張りながら言う。ボブカットを外ハネさせて、手首にはピーチピンクのシュシュをつけている可愛らしい方だ。
梶「うん、そうだよ。……あ、Aちゃん、この子僕の彼女」
竹「竹達彩奈です。はじめましてAちゃん……って呼んでいいのかな?」
「あ、は、はい。花月 Aです。裕貴くんとは小学校からの幼なじみで……あっ、と言っても高校は別なんですけど……えっと……」
梶「もうひとり俺と同い年の奴がいて、そいつも含めて3人で遊んでたんだ。ね?」
「う、うん」
裕貴くんの『俺』という一人称に驚きつつも答える。
梶「良平くん、元気?」
「あ、うん。友だちも多いし、みんなに頼りにされてる。今は推薦が決まってのんびりしてるみたいだけど、そのせいで先生にこき使わされてたよ」
梶「そっか〜。噂で女子にモテモテだって聞いたけど、あのなんでも言う性格治ったんだ?」
「……わりとね。私が高校入学する頃にはもう昔と全然違ってた。あ、たまに昔みたいに優しい時もある、かな」
梶「そうなんだ。Aちゃんともそうだけど、良平くんともなかなか会ってないから、久しぶりに3人で集まりたいね」
「………そうだね。……良ちゃんに言っておくよ」
梶「うん。あの頃と番号変わってないから、また連絡して?」
「わかった。じゃあ、でーと楽しんでね」
梶「あははっ、Aちゃんに言われる日が来るとは、変な感じ。じゃあまたね」
「………ばいばい」
手を振り、ふたりに別れを告げる。最初は戸惑いを隠せなかったが、徐々に笑えてきてよかった。ほんとうに………。
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ななき。(プロフ) - 春さん» 春さん!いつもご覧くださりありがとうございます!こちらこそこれからもよろしくお願いします(^^) (2019年11月28日 18時) (レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続編おめでとうございます!めっちゃいいです!!これからも楽しみにしてます!(^-^) (2019年11月28日 17時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななき。 | 作成日時:2019年11月27日 16時