聖徳太子じゃないんだから ページ7
津「ひとりだけ挨拶しなかった、花月 A。ノート回収して持ってくるようにー」
またぼうっとしてしまった。いつの間にか授業は終わっていたようだ。
江「手伝う？」
「いい。それより学食で席取っといて」
江「りょーかい」
回収したノートを番号順に並べて抱える。40人分のノートは意外と重量がある。
男子達「あ、花月さん、手伝おうか？」「俺が持ってやるよ」「いやいやおれが！」
教室を出ようとすると、男子たちが何か言っているが、一斉に言うのでよく分からない。聖徳太子じゃないんだから聞き取れるわけないんだけど、多分手伝ってくれようとしているんだろう。
「大丈夫。それより後ろの、学級委員長の黒板消すの手伝ってあげて」
男子たち「「「え？」」」／委員長「えぇ？！」
男子生徒が振り返った瞬間に止めていた足を進めた。学級委員長、めちゃくちゃ足プルプルさせてやってたからなぁ、無事消せているといいけど。
廊下は教室以上に騒がしく賑わっていた。購買に急ぐ男子や、ほかのクラスの友達の所へかけていく女子。私はその隙間を縫うように歩き、職員室へ行く。
津「お、持ってきたな」
「ここでいいですか」
津「いいよ、ありがとうな」
「いえ、では、失礼します」
津「…あ、そうだ、花月」
ほかの先生より明らかにものが多く汚い机。指さされたファイルの上にノートを置き、立ち去ろうとすると、案の定呼び止められてしまった。
「………なんですか」
津「あからさまに嫌な顔するなぁw 別に怒りはしないよ。先生も高校時代はしょっちゅうサボってたし。まあ提出物は出しとけよって話」
「はい」
津「あと進路希望調査表、出てないのお前と江口だけだぞ〜」
「……はい」
津「まぁ、進学か就職か書いとけば今の所は大丈夫だから。来週までによろしくな」
「わかりました。失礼します」
優しく笑う津田先生。頭ごなしに怒ったり、理不尽に叱ったりしない所も生徒から人気のある理由のひとつなんだろう。
かくいう私も、入学した当時から随分お世話になっている。いつか恩返しをしなければと思いながら、職員室をあとにした。
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます！これからも気長にお付き合い下さい！ (2019年10月20日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます！応援してます！(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年10月19日 21時
