いい人っぽいおにーさん ページ34
▪▪▪
それは、夏のある日のことだった。
もっと詳しくいえばそれは、昼ランチのラッシュが終わり、達さん特製のまかないを食べている時だった。
唐突にスマホが震え、卵をすくったスプーンを口にくわえながらディスプレイ画面を見る。
〔りょーへい ： 6時に○○駅前、動きやすい格好で集合！取材に付き合って？〕
「はぁ？」
思わず声に出してしまった。向かいに座っていた達さんが「どした？」と声をかける。
「あー、いや……」
達「なに、迷惑メールかなんか？」
「んー、似たようなもんですね。……ねぇ、達さん」
達「なに」
「例えばですけど、あんまり得意じゃない先輩に当日に遊びに行こう……みたいなこと言われたら、どうします？」
達「なにその具体的な例えば……。とりあえず、俺なら他に用事がないんだったら行くかな。いくら苦手な先輩でも、飲みに誘ってくれるってことは少なくとも俺のこと嫌ってないってことだし」
手に持っていたスプーンを右に左にヒラヒラしながら言う達さん。
アメリカに居そうだよなこの人。ストリートとは違う、ヘビメタ？ヒップホップ？その中間ってなんだろう。ジャンキーが良く似合う。
「いや、飲みとは言ってないんですけど」
達「その飲みでなにか変わるきっかけがあるかもしれないし、もしかしたら自分にとって有意義な時間になるかもしれない。やっぱこの人苦手だわって思うことも、ひとつの利益だろ」
「………なんか、いい人っぽい答えですね」
達「ぽいって言うなよ生意気高校生め。ま、とりあえず行ってくれば？当たって砕けろでしょ」
「 "挫けろ" でしょ。砕けちゃダメですよ」
とりあえず、ねぇ………。
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます！これからも気長にお付き合い下さい！ (2019年10月20日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます！応援してます！(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年10月19日 21時
