星と星を繋ぎながら ページ30
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「あれがサソリ座、あっちが天秤座で、むこうがいるか座。それであれが夏の大三角」
斉「おぉ〜、あれが有名な……」
指で星と星を繋ぎながら、壮馬にわかりやすいように神話の話をする。
「織姫のベガ、彦星のアルタイル。その間を、白鳥座のデネブが二人の仲を取り持つように、通り抜けようとする位置関係にあるんだよ」
斉「七夕ですよね。たしかアルタイルがわし座で、ベガがこと座？」
「そう。でも同じ星でも、ギリシャ神話と七夕とでは異なる物語が紡がれてるんだ」
斉「ギリシャ神話ですか？」
「うん。例えばアルタイルのわし座。あれは全知全能の神、ゼウスの雷の矢を運ぶわしだって言われてる。
白鳥座は、そのゼウスがスパルタ王の妻のレダ王妃に近づくために白鳥に変身した時の姿で、それが星座なったものだって言われてたり」
斉「こと座には、どんな逸話があるんですか？」
「こと座は音楽の神アポロンの息子で、琴の名手オルフェウスにあげたもの」
紙芝居を読むように、絵本をめくるようにゆっくりと語り出す。
───オルフェウスの妻は毒蛇にかまれて死んでしまい冥府に送られてしまったのですが、オルフェウスは琴を奏でて冥府の神ハデスから妻を返してもらいます。
その条件は、冥府から地上に帰るまでは決して後ろからついてきている妻を見ないというものでした。
しかし地上に着く直前にうれしくなったオルフェウスは振り返って妻を見てしまい、一緒に地上に戻ることはできませんでした。
それを悲しく思ったオルフェウスの父であるアポロンが、琴を星座にしたのです───
斉「……なんか、そういうの日本の昔話にもありましたよね？」
「あぁ、イザナミとイザナギの話だっけ。黄泉の国に妻を迎えに行って、見るなと言ったのに見ちゃって、イザナミをめちゃくちゃ怒らせて殺されそうになるんだっけか？」
斉「そうそう、そんな感じです」
「日本にも世界にもたくさんあるんだよね、そういう話。見るな押すなと言われると、無性に逆らいたくなる人間の性っていうか……」
斉「あはは、僕もお母さんに逆らって外で遊んで、小さい頃は怒られてたなぁ」
悲しそうに笑う壮馬の横顔は、相変わらず綺麗で透き通ってる。
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます！これからも気長にお付き合い下さい！ (2019年10月20日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます！応援してます！(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年10月19日 21時
