三月のクローバーコレクト【声優】【学園モノ】

波の中の星たち ページ20

良「めっずらしーね。Aちゃんがあんな積極的になるの」

「積極的？」

良「生徒会の子や、後輩の女の子に話しかけてただろ？」

「……あぁ、別に困ってたから助けてあげただけですし。悠木ちゃんは部屋が同じだったんですよ。後輩だし。……ていうか、なに見てるんですか」

良「………人に興味のなかったお前がねぇ〜」

「良平先輩こそ、ボランティアなんて柄じゃないでしょ。なんで来てるんですか」

良「俺は生徒会側に頼まれてね？『どうせ暇だろ』って言われて断れなくて」

「ふぅん」

良「君はとことこん俺に興味が無いねぇw 夜の海でふたりっきりなんて、なにか起こりそうなもんなのに」

「……良平先輩、意外とロマンチストですよね。有り得ませんよ、私と良平先輩で "なにか" なんて」




苦笑いをこぼす。返事がないのでふっと左を見ると、良平先輩は自分の膝にほおずえをついて空を見上げていた。

その横顔がなぜかとても悲しそうで、苦しそうで、おもわず口を開いた。




「良平せんぱ……」

良「さ、俺戻ろうかな。Aは？」

「あー、もうちょっといることにします」

良「そ？じゃあまたね」




結局その表情の理由は聞けないまま、良平先輩は行ってしまった。動揺して早くなった鼓動をゆっくり深呼吸して落ち着かせる。

どうしてあんたがそんな表情すんのさ…。

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