絶好のサボりスポット ページ2
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普段使っている校舎から少し離れた、木造建築の旧校舎。いい感じに亜麻色にすれた木の壁と床。開けられた窓から入る柔らかい風。
無造作に伸びた青葉の間から、きらきらともれる光が私を包んで、だんだんと意識が薄れていく。
良「───Aー、Aちゃーん、
パチッと目を開け、上半身だけを起こす。そこには、第1ボタンを外したパーカー姿の男性が、私の顔を覗き込んでいた。
「やっと起きた」とにこっと微笑んでいる。胡散臭い笑顔だ。
「………今日も懲りずにさぼりですか、良平先輩」
良「キミも人のこと言えないでしょ。またこんな所で寝ちゃって」
木村良平、ひとつ年上の先輩だ。私の天敵。
良平先輩がグランドピアノをコツコツと指で叩く。私は仕方なくピアノの上から飛び降りトンっと着地すると、今度は先輩が上に乗って足をぶらぶらとさせている。
良「今日の子守唄はなあに？」
「……リクエストは」
良「テイラースウィフトの、【Safe and Sound】」
「…………はぁ…」
指が鍵盤にふれ、少し力を入れる。簡単に音は出て、あとは順番通り。
良「ウウウウウー…ウウウウウゥ……♪」
さっきの私と同じようにグランドピアノに寝っ転がり、気持ちよさそうに旋律をなぞっている。
良平先輩とは今年の春くらいだったか、この旧校舎で出会った。数学の授業を抜け出しここでサボっているのを見つかってから、ことごとく昼寝のじゃまをされる。
サボりを先生に報告しない代わりに、たまにこうして先輩のリクエストに応えてピアノを弾いているんだ。
「だいたい自分もサボってるくせに………」
良「俺のは見回り、風紀委員だからねぇ、いちおう」
ピアノを片付けながらぼそっと呟く。独り言だったのに、どうやら聞こえていたらしく返事が返ってきてしまった。
「なおさらまずいと思いますけど」
良「いいんだよー。特権、特権」
この人とはいつも会話が噛み合わない。
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ななき。(プロフ) - 春さん» こちらにもコメントありがとうございます！これからも気長にお付き合い下さい！ (2019年10月20日 13時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
春 - 新作おめでとうございます！応援してます！(^-^)v (2019年10月20日 10時) (レス) id: 10bd62f869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年10月19日 21時
