《Another story》─�� ページ38
▪▪▪
「ねぇ、ひつじさん、もしかして私のこと嫌い？」
二週間たって、ふとAさんが呟いた。
天「そんなことないですよ、Aさん」
「別に嘘つかなくてもいいよ、知ってるから。貴方で1、2、3、4、5……」
指折り数えていくAさん。
「ちょうど10人目ね」
天「なにがですか？」
「ここに来た子供の数よ。1年、短い子だと1ヶ月足らずでそのうち海外に行っちゃう。ひつじさんも早く行けるといいね」
天「………いつも、こうやって遊んでもらってるんですか？」
「そうだよ。向こうに行けば遊ぶ時間なんてなくなるから」
天「そうですね」
「みんな付き合ってくれるよ。せっかくのチャンスを棒に振りたくないものね。
『結衣さんから言われたことには従わなきゃ』
『十鳥の娘のわがままくらい……』
『この生活が終われば俺たちはスターだ』ってね。
鳥かごに閉じ込められるとも知らないで……」
小学生のくせに、妙に悟った子だ。
天「鳥、ですか」
「……ステージで、スポットライトを浴びる鳥がいるきらびやかな服を着て、何万人の前で歌う鳥が。
その一方で、部屋の奥で山積みになってるカゴがいっぱいある。声を枯らしながらもひとりで歌う鳥もいる。
天月さんはそうならないといいね」
チャンスがある一方で、厳しい世界だと言いたいんだろうか。大きなお世話だ。
天「Aさんはいま、鳥かごの中ですか？」
「………私は、カゴにすら入れてもらえないノラ鳥だよ。
昔は可愛がってくれてたのに、歌えないとわかると捨てられたんだ。
エサの取り方なんて知らないのに。大空に飛び立つ羽の動かし方なんて知らないのに」
子供じゃない。この子は子供じゃなかった。ちゃんと自分の立場も、置かれてる状況も理解してる。
ふと、あの噂を思い出す。
国内外の様々なコンクールで一番を取り続けた十鳥の娘が、ある年を境にぱったりと姿を見なくなった。
病気になっただとか、飽きてやめただとか、学業に専念しただとか、様々な噂が飛び交い、誰も真実を知らぬままその噂はやがて消えていった。
たしか3年ほど前だったか。この子が今10歳だから、7歳の頃……。
「だいじょうぶ。あなたはきっとスポットライトの方よ。そんな気がする」
天「だと、いいんですけどね」
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ななき。(プロフ) - Noel*26さん» 見つけてくれてありがとうございます！！タイトルについては後で解説？するつもりですwこれからもよろしくです！ (2020年1月21日 21時) (
レス) id: 42df20d673 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - ちょっと待って好き過ぎる。高評価お気に入り登録失礼します、更新頑張ってください（ ＾ω＾）（和訳タイトルが運命の年の少女だと思った私を殴りたい） (2020年1月21日 0時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななき。 | 作成日時：2019年12月29日 17時
